近所の公園を散策してみたところ、春になり動植物がだいぶ賑やかになってきていた。
ヒガシニホントカゲ
石垣の隙間から顔を出して日光浴。やっぱこういう生き物が出てくると春だな~って思う。
アカミミガメ
こちらも日光浴中。多い。真冬でも見られるけど、暖かくなると数が多くなる。
君、降りられますか?場所をめぐって争うようなことはないが、こういうシーンを見ると日光浴への並々ならぬ意志を感じる。実際、日光浴をすることで骨を形成するのに必要なビタミンDが生成されるので、日光浴は非常に重要なのである。
色が変だけどこれもアカミミ?黒化というよりも褪色した感じだけど。
あちらこちらでコジュケイがさえずっている。ほとんどは茂みの中なので見えないが、1羽のオスが少し開けたところで鳴いていた。さえずりではなかったが(↓)。
オスの特徴は脚の蹴爪。ちなみに、後ろで「ピュッピュッ...」と鳴いているのもコジュケイ。群れのメンバーか?
桜(ソメイヨシノ)の木の梢でさえずるホオジロ(撮影時は3月12日で開花前だった)。その他ウグイス、シジュウカラ、メジロがさえずり、モズやアオジがぐぜり、エナガやハシブトガラスは巣材を集めていた。もうそんな季節か。
昆虫も賑やかになっている。ベニシジミは都市公園でも普通に見られるチョウの一種。日光浴をしたり、吸蜜をしたり、縄張り争いをしたりと忙しく動き回っている。
寄り添う2匹。交尾か?と思ったが交尾の際は背中合わせになるはずなので違う。でもたまたま近くにいるにしては近すぎるし.... と思ったが、後ろの個体が前の個体を追いかけているのを見て理解できた。これはオスがメスに交尾を迫っているところである。
オスは必ずメスの左側に出て、腹部を右に曲げている。生殖器の構造が関係しているのだろうか?それと、オスはかなり剥げているが何があった?ベニシジミは幼虫越冬なので羽化時期にそんなにズレはないと思うのだが....(イレギュラーな成虫越冬はあるかも)
キタテハ
テングチョウ
こちらは成虫越冬組。晩秋・早春にはお馴染み。夏にも見るけどね。
マエアカスカシノメイガ?
ガの一種
マエアカスカシノメイガは春のガというわけではなく、かなり長い時期見られるらしい。下のガはなんだろう?シャチホコ?
キリウジガガンボ
水辺にはガガンボが飛び交っているが、すべてキリウジガガンボである(たまに他のガガンボも見るけど少ない)。キリウジガガンボは都市部にも普通に見られるガガンボで、子どもの頃はこいつを素手で捕まえようと一生懸命だった。網使えよって思うかもしれないが、家にあった捕虫網はこの頃はもうボロボロで、親が捨ててしまっていたのだ。
ハチの一種
ハナバチの仲間だろうけど種はわからん。全身花粉まみれになっている。
キマダラハナバチの一種
突然ポトリと落ちてきた。しばらく地面でもがいたり歩いたりしていたがやがて飛び立った。キマダラハナバチ属(Nomada)は互いによく似ており、採集し、詳しく観察しないと同定できない。さらに雌雄で模様が違ったりするのでかなりきつい。そして筆者はキマダラハナバチの同定に使えるような文献を持っていない。3OUTである。
筆者はこれまで近所で3種(たぶん)のNomadaを確認・採集した(↑)が、今回の個体はそのうちの1種(左)に似ている。ただ、今回の個体は腹部が翅で隠れており模様全体は見えず、同種かはわからなかった。
ハチの一種
カラスノエンドウによじ登る1匹のハチ。そこへ別の個体(写真左)が飛んできた。これはまさか....
やはり交尾!と思ったがすぐに離れてしまった。しかしその後も近くをウロウロし、もう一度交尾に挑戦したが、またすぐ離れてしまった。
先にいた方(メス?)は羽化不全。これが影響していたのかは不明。オス?は数分間粘っていたが、やがて飛び去った。
アブの一種
アブの一種
ミナミヒメヒラタアブ?
オオハナアブ
ビロードツリアブ(ビロウドツリアブ)
春を彩るのはチョウやハチだけではない。アブも立派な春の一員である。特にビロードツリアブは、普通種だが成虫は春にしか見られない。春を象徴する昆虫と言っても良いだろう。
動画でも撮影。ビロードツリアブの口吻って自分で曲げられるんだ.... そして2倍近く伸びるんだ.... 全く知らなかった。
こちらではヒラタアブの一種がカラスノエンドウに産卵中。ということは当然....
ソラマメヒゲナガアブラムシ
早くもコロニーをつくっている。まだ規模は小さめだが、筆者が確認したほとんどすべての株に見られた。さらに規模が大きくなればテントウムシや寄生蜂も見られるようになるだろう。余談だが筆者は子どもの頃、テントウムシやカマキリの幼虫を飼育するためにアブラムシを手に入れるべく、カラスノエンドウの種子を庭に蒔いたことがある。結果、カラスノエンドウは生えたがアブラムシのつきはいまいちだった。
トビイロケアリ
アブラムシはアリに甘露を提供し守ってもらうことで知られている。ここでもクロヤマアリの一種とトビイロケアリがカラスノエンドウに集まっていたが、今のところ、彼らはアブラムシよりも花外蜜腺に夢中である。
クロヤマアリの一種
巣の入口にたくさん集まっている。よく見ると他の個体を集団で押さえ込んでいる。どうやら種内闘争が起こっているようである。
巣の付近でも争っている集団が見られる。戦っている相手は1匹2匹ではなく、どうやらコロニー同士の抗争。これを辿ればどの巣(コロニー)と抗争中なのかわかるのではと思い慎重に辺りを見回す。
相手の巣はすぐ見つかった。最初に見つけた巣からわずか2mほど先、巣の入口で争う集団がおり、そしてここから先には争う集団は見られない。ここが抗争相手と見て間違いないだろう。ここまで巣が近いとどちらかがいなくならない限り、これからも頻繁に争うことになるだろう。
ネコハエトリ
ウヅキコモリグモ?
捕食者であるクモ類も増えてきた。これからもっとたくさんのクモを見られると思うと楽しみである。
春の花といえばサクラだが、スミレも負けてはいない。タチツボスミレは日本では最も普通に見られるスミレの一種で、都市部でも公園などでよく見られる。普段動物ばかり見てるけど、植物もいいね。
だいぶ春らしいものが見られるようになった。これからはだんだん夏になっていく。その移ろいを見るのが筆者はたまらなく好きなのだ。