パタゴティタン・マヨルム(Patagotitan mayorum)
本展示の目玉。壁も大英博物館を意識したものとなっている。前記事でも触れたが、この周辺には体験型の展示が設置されていて、面白そうだったが常に人だかりができており結局できなかった。ただ、パタゴティタンと他の生き物が闘うゲームが、クソゲーに片足どころか両足突っ込んでいた。
胴体は非常に幅広くゴツい.... のだが、幅広く作りすぎているようで、骨盤に隙間が空いている。また、骨格図では頸が比較的高く上がった復元だったんだが、展示されている標本はご覧の通り。
前肢には指の骨は無く中手骨のみ。パタゴティタン自体は四肢の末端部は未発見なのだが、近縁種からの推測なのだろう。脚は他の竜脚類やステップマンモスと比較しても面白いだろうと思う。
ティラノティタン・チュブテンシス(Tyrannotitan chubutensis)
名前とは裏腹にカルカロドントサウルス類。頭骨全体は見つかっていないので推測のはず。解説パネルがなく、突然肉食恐竜の頭骨が置いてあるのでなかなか戸惑う。
ディプロドクス・カーネギイ(Diplodocus carnegii)
代表的な竜脚類の1つ。模式種であるロングス(D. longus)が疑問名になったことで、こちらが新たに模式種となった。ちなみに“セイスモサウルス”はロングスではないかと言われていたが、ロングスが疑問名となったことで種小名は残ることになった。
カマラサウルスの一種(Camarasaurus sp.)
こちらも代表的な竜脚類。福井県立恐竜博物館にある実物化石を基に制作されたとのこと。全身の9割が保存されたとんでもない標本。
アマルガサウルス・カザウイ(Amargasaurus cazaui)
非常に長い棘突起で知られる竜脚類。頸椎の棘が有名だが、胴椎や尾椎の棘突起や血道弓も長い。
エウヘロプス・ズダンスキイ(Euhelopus zdanskyi)
中国の竜脚類ってマメンチサウルスやらオメイサウルスやらチュアンジエサウルスやら、頸が極端に長いものが多い気がする。このような竜脚類は、最近は再び首を持ち上げた復元になっている。
チンタオサウルス・スピノリヌス(Tsintaosaurus spinorhinus)
ユニコーンのようなトサカは旧復元。今ではもっと普通な感じのトサカになっている。
ブラキロフォサウルス・カナデンシス(Brachylophosaurus canadensis)
大部分の骨格に加え、皮膚痕も骨化腱も角質も、胃の内容物まで残る“レオナルド”(Leonardo)。ギネスブックにも登録されているらしい。エドモントサウルス以外にも皮膚痕が残る標本があるのね。
デンヴァーサウルスの一種(Denversaurus sp.)
恐竜科学博以来のデンヴァーサウルス。ノドサウルス類がいてくれて嬉しい。
クライトンペルタ・ベンクシエンシス(Crichtonpelta benxiensis)
初めて聞いた鎧竜。白亜紀の中頃(セノマニアンくらい)の遼寧省で発掘されたそう。
本展はこれで終了。竜脚類をメインとして大型動物を展示するのはしばしば見かけるが、体験型の展示はとても面白そうだった。他の恐竜展でもこういうのやってほしいなぁ....
おまけ
お土産のレリーフモデル。展示と同じように首を水平に伸ばした復元。きっと10年もしないうちに古い復元になるんだろうが、それもまた一興。かつての復元を知る資料になるかも。
記念に購入したモロッコ産のスピノサウルス類の歯。「実物化石」とあるが、商業標本であるためそのあたりはお察し。
株式会社ウラノのスピノサウルスのペーパークラフト。柄がかっこいいので買ってしまった。いつ頃製作されたのかは知らないが、泳いではいるもののほぼ旧復元。イブラヒムが例の仮説を発表してからもう10年か....
スピノサウルスはPNSOのフィギュアも心惹かれたが、14000円もするのでさすがに手が出なかった。
フィギュアガチャは4回やって3種をゲット。意外と被らないもんだな。
パタゴティタンの荷電粒子砲。恐竜科学博のゴルゴサウルスより照明が小さいからちょっと威力控えめに見える。