コミュ障カラスの生き物ブログ

生き物好きなコミュ障が気ままに書くブログです。

恐竜博2023 その1(ついでに鳥見)

行って来ました。恐竜博2023。

3月の初めにNHKでズールとマイプに関する番組をやっており、それでこれを思い出しなんとしても見に行かなくてはと思っていた。想像以上に予約が取れず、4月1日にようやく行くことができた。

せっかく上野に来たのだから上野公園を散歩しようと思い、予約した時間より30分以上も早く来たのだが、ちょうどうえの桜まつりの開催期間中で公園内は激混み。どこもかしこも人だらけでゆっくり休めそうな場所もない。人混みをかき分けながら適当に歩き回るしかなかった。とはいえ人が多いことを除けば、桜は綺麗で天気も良かったので悪いものではなかったが。

ソメイヨシノにまじるヤマザクラの一種

不忍池ならカモとか見られるかな?と思い行ってみると、細長い翼の白っぽい鳥が飛んでいるのが見えた。カモメだ!

ユリカモメ

ユリカモメは淡水域にもよく入るらしいが、ここで見られたのは嬉しい想定外。人々が出すゴミを狙っているのかもしれない。

食事中の人々がたむろするすぐ近くに降り立ってケンカ。やはり狙いは食べ物なのだろう。

桜とユリカモメを撮りたかったのだがこれが限界。ただでさえ飛翔写真はムズいのに、そんなに都合良く桜のそばを飛んではくれない。

 

オオバン

カルガモ

このあたりは想定内。オオバンはそれなりにいたが、カルガモは1羽しか見られなかった。その他はアオサギとカワウくらいで、種数も個体数も思ったより少ない。

 

カワウ

1羽のカワウが木の上に降り立つとなにやらキョロキョロ。さらに枝から枝へ飛び移ったりと落ち着きがない。「全蹼足でよく細い枝の上を歩けるなぁ~」なんて呑気に眺めていたが...

前触れなく枝をポキリと折り取ると、それを咥えて飛び去った。まさか近くで営巣してるのか?と思ったが、不忍池にはカワウのコロニーがあるそう。見たかったな。

 

そろそろ時間なので恐竜展へ(前置き長すぎだろ...)。入場制限があるとはいえ、やはり人が多い。春休みだもんね。

鳥盤類初期進化に関する新仮説

オルニトスケリダ仮説かと思ったがそうではなく、シレサウルス類が恐竜に含まれるという仮説とのこと。そういやピサノサウルスってシレサウルス類になったんだっけ?

アシリサウルス・コングウェ(Asilisaurus kongwe

そしてこれがシレサウルス類の一種アシリサウルス。骨盤が竜盤類のそれとよく似ているが、これは発見されたのかつくったのか。寛骨臼に穴が開いてないことなどから恐竜ではないとされるが、新仮説に則れば恐竜ということになる。ちなみにシレサウルス類以外で寛骨臼が貫通していない恐竜にはヘレラサウルスがいる。この説が広い支持を得られた場合、「ヘレラサウルスは恐竜」という説の後押しにもなるだろう。

 

ヘテロドントサウルス・タッキ(Heterodontosaurus tucki

牙を持つことで有名な初期鳥盤類ヘテロドントサウルス。アシリサウルスとは異なり見た目はもう完全に鳥盤類。オルニトスケリダ仮説においても注目される恐竜である。

 

エオドロマエウス・マーフィ(Eodromaeus murphi

2010年に開催された『地球最古の恐竜展』では「新種獣脚類Y」として展示されていた恐竜。2011年に記載され、最古級の獣脚類という地位を得た。なんだか感慨深い。ちなみに「新種竜盤類X」として展示されていた恐竜は2010年にサンフアンサウルス・ゴルディロイ(Sanjuansaurus gordilloi)と命名・記載されている。

 

エオラプトル・ルネンシス(Eoraptor lunensis

筆者が子どもの頃は植物食恐竜っぽい特徴を持つ獣脚類として図鑑に載っていたが、今では竜脚形類とする説が主流のようである。10年以上前から言われていたことではあったが。

何だこの細い肋骨は⁉と思ったが、これは肩甲骨を支えるための骨組み。骨組みが目立たないようにするための工夫なのだろう。

恥骨が平たい板みたいになっているのが個人的な注目ポイント。ほとんどの恐竜はV字かY字なんだが、ここまで来るとほぼI字である。もしかしたらつくられたものかもしれないけど。

 

スクテロサウルス・ローレリ(Scutellosaurus lawleri

最近再記載されたというスクテロサウルス。尻尾が長い。小さな皮骨1つ1つまで丁寧につくられている。ここまで来ると1つの美術品としての価値も相当なものだろう(※個人の見解です)。

皮骨は皮膚の中に発達した骨質のものなので、体内の骨格とは繋がっていない。この展示はどうやって皮骨をくっつけているのだろうと思いよく見ると、肋骨から支柱が伸びて皮骨を支えている。骨格も骨組みにするとは考えたな。

 

スケリドサウルス・ハリソニ(Scelidosaurus harrisonii

さすがに発見された状態そのままというわけではないようだが(公式図録 p.27にモデルと思われる標本の写真が載っている)、“マラソンミンミ”に匹敵するほどの見事な産状である。

 

この時点で実質タダとも言えるレベルなのだが、この後さらにすごいものが登場する。長いうえ普通にネタバレなので、ここらで一度切ります。その2へ続く→恐竜博2023 その2 - コミュ障カラスの生き物ブログ