コミュ障カラスの生き物ブログ

生き物好きなコミュ障が気ままに書くブログです。

巨大恐竜展2024 その2

その1はコチラ

 

ヘレラサウルス・イスチグアラステンシス(Herrerasaurus ischigualastensis

大抵の恐竜展は、どんなテーマであっても恐竜の進化について触れざるを得ないので、こうした初期恐竜の皆さんは必ずと言って良いほど見られる。

 

コンカヴェナトル・コルコヴァトゥス(Concavenator corcovatus

ほぼ全身の骨が見つかっているカルカロドントサウルス類。腰に形成される帆で有名だが、発見当初は尺骨に羽軸瘤を持つため羽毛を持っていた可能性も唱えられていた。現在は瘤は筋肉の付着点とされている。

 

ピノサウルス(Spinosaurus

なぜか属名のみ。sp.すらついてない。もっとも、スピノサウルスはエジプティアクス種(S. aegyptiacus)の1種しか知られていないから、属名だけでも通じるっちゃ通じるが。展示されているのは動く模型であり、子供たちが泣いていた。そして泣き叫ぶ我が子を見て、嬉々としてさらに模型に近づけ泣かそうとする親がたくさん見られた。

尾は空気が詰まっているのか先端までパンパン。実際のスピノサウルスの尾で太いのは根元の部分のみで、半分以上はペラペラである。ヒレ状の尾を持ってはいても、果たしてメインの推進力だったのかは不明。後肢に水かきがあった可能性も指摘されており、こちらがメインだったのかも。

 

ディロン・パラドクサス(Dilong paradoxus

筆者はNHKの影響か黒一色の羽毛を纏ってレペノマムスを捕食するイメージが浮かんでしまうが、さすがにあんな黒一色ではなかっただろう。もっともディロンの羽色については不明であるが。ほぼ同時代のユティラヌスより実は派生的(進化的)ってのが意外だった。そしてこの骨格はしばしば見かけるが、果たしてどの程度正確なのだろう?

 

“ラプトレックス・クリエグステイニ”(Raptorex kriegsteini

幼体と聞いていたのでもう少し小さいのを想像していたが、思ったより大きかった。2mを超えているだろう。タルボサウルスか、その近縁種の幼体であることはほぼ確実なのだが、依然として“親”は不明のようで、新種のティラノサウルス類であるという説もある。産地が不明なこともあり疑問名とされることも多いが、今後どうなるか。

 

ティラノサウルス・レックス(Tyrannosaurus rex)の“ワイレックス”(WYREX)

皮膚痕が発見されたことで有名な標本。ディロンや“ラプトレックス”とは体型がまるで異なる。

尾にはなんか塊がくっついている。ワイレックスの尾には食いちぎられた痕があるそうだが、これはそういうものには見えない。何なのだろう。皮膚痕とか?と思って調べてみると、やっぱり皮膚印象だそう。

ティラノサウルスの頭骨はワイレックス以外にもう1つ展示されていた。こっちはスタン(STAN)っぽい。

ワイレックスとスタン(たぶん)の比較。当然ながら形はほとんど同じ。ワイレックスの頭骨はどのくらい見つかっているのかは知らないが、スタンをベースに作っててもおかしくなさそう。

 

モザイケラトプス・アズマイ(Mosaiceratops azumai

名前だけでどういう恐竜なのか一発でわかる。でも年代については今一つわかっていない。右にあるのはカメの卵だそう。

 

トロサウルスの一種(Torosaurus sp.)

「おっトロサウルスじゃん」と思ってパネルを見たらトリケラトプス???と宇宙猫状態になったが、ホーナー監修.... そういうことか.... 同属説は現在ほぼ支持されていない。トリケラとトロのわかりやすい違いはフリルの穴の有無と、鱗状骨と頭頂骨が接する部分が肥厚し、“squamosal bar”を形成するかどうかで、どちらもトロにあってトリケラに無い(ただし、“squamosal bar”がないトロサウルスもいるらしい)。この模型にはフリルの穴と、その下に伸びる“squamosal bar”がはっきりと確認できる。

トリケラトプス・ホリドゥス(Triceratops horridus

ちなみに本物のトリケラトプスも展示されていた。フリルに穴も無いし、“squamosal bar”も無い。

 

テチスハドロス・インスラリス(Tethyshadros insularis

イタリアのトリエステで見つかった全長4mほどの小型鳥脚類。島嶼化の一例とされている。恐竜の島嶼化といえばルーマニアのハツェグで発見されたテルマトサウルスが有名だが、その近縁種らしい。

 

エオラプトル・ルネンシス(Eoraptor lunensis

本展の主役はパタゴティタンであり竜脚類である。そのため初期竜脚類であるこの子がいるのもある意味当然。恐竜博2023でも見たし、新しい発見も聞いてないので、特に語ることがない。ほぼI字の恥骨はこの骨格でもそうだった。

 

オメイサウルス・マオイアヌス(Omeisaurus maoianus

有名な頭骨らしい。オメイサウルスと聞くと筆者はどうしても尾の先に棍棒がある復元を想像してしまうが、どうやらそれは誤りらしい。また、オメイサウルスやマメンチサウルスのような、首が極端に長く尾が短めな竜脚類は、ここ最近は再び首を持ち上げた復元が主流になりつつあるようだ。一時期はブラキオサウルスさえ首を水平に復元されていたと思うと、この変化は感慨深い。

 

この後はいよいよ主役のパタゴティタン。でも骨格展示の前にパタゴティタンはどんな恐竜なのかを解説するコーナーがある。回転させたり抽斗を開けたりして面白い。写真はそのコーナーの一区画。英語の発音まで書いてある。

この次はパタゴティタンの子供たちを題材にしたゲーム等があった。筆者もやりたかったのだが、大盛況で長蛇の列だったし、子供たちの目の前で二十歳超えた大人がたった一人でプレイする様子を想像したら、並ぶことはできなかった。

 

その3へ続く