コミュ障カラスの生き物ブログ

生き物好きなコミュ障が気ままに書くブログです。

カマツカを探しに

9月某日、東京都某所の多摩川の支流でカマツカの一種を見つけた。

カマツカは2019年にカマツカ、ナガレカマツカ、スナゴカマツカの3種に分けられた。分布域から考えると今回筆者が見たのはスナゴカマツカである.... と言いたいところだが、多摩川水系外来種が多いことで有名であり、実際この写真にもカワムツ(東日本には本来分布しない)が写っている。本当にスナゴカマツカだろうか?

疑って見てみるとやはりと言うべきか、スナゴっぽくはない。吻は長く、口ひげは短い。見た目はカマツカに似ている。おそらくカマツカか、あるいは雑種だろう。

さて、この河川は住宅街を流れており、カマツカって意外と身近に見られる魚なんだなぁと思った筆者であるが、もしかしたら自分の周りにもカマツカがいるのかもしれないと思うようになった。その理由はこの写真である。

以前アユを撮影したときにスッポンが出たので撮影した(記事はコチラ→清流じゃなくても - コミュ障カラスの生き物ブログ)のだが、この写真をよく見ると、水底に魚がいるのがわかる。

上の写真を拡大したもの。ヨシノボリなどハゼの仲間にも見えるが、カラーリングがカマツカっぽくも見える。ただ、カマツカにしては小さいのでハゼの可能性のほうが高いだろう。しかし気になると止まらない筆者のこと。万に一つの可能性にかけてカマツカを探してみることにした。

 

この川を訪れるのはアユの撮影以来、およそ2ヶ月ぶり。双眼鏡にカメラと準備は万端である(なぜ双眼鏡?と思われるかもしれないが、筆者は網や胴長を持っていないのだ)。

イカ

相変わらず多い。10cmを超える成魚からメダカサイズの幼魚まで多数の個体が見られる。産卵期は夏まで続くが、さすがに婚姻色は薄くなっている。ちなみにこの川ではなぜかカワムツは見ない。オイカワの産卵を撮影した河川と水系は同じだから、いてもおかしくないのだが。

 

アユ

以前来たときより随分減っている。上流へ行ったのか、それとも下流へ行ったのか。

相変わらず豪快な採餌だこと。以前と違い、アユがオイカワを追い払うところは見られなかった。岩に突進するアユにオイカワはビビっているようではあったが。

 

メダカとヌマエビの仲間

メダカはたぶんミナミメダカ。ヌマエビは.... なんだろう?シナヌマエビか、あるいはそれに近縁なカワリヌマエビ属の一種と思われる。メダカはともかく、エビのほうはほぼ確実に外来種

昔はこういう色や体型のエビはミナミヌマエビしか知らなかったから、ミナミヌマエビが近所にいると思っていた。実際はシナヌマエビなど外来のエビだったわけだが。でもミナミヌマエビは東日本にはいないから、ミナミヌマエビだったらそれはそれでヤバい。

 

アメリカザリガニ

明らかにオイカワやアユではないものが水底をシュッと移動したので、いたか!?と思い双眼鏡を覗くとザリガニ。こういうのを見つけられるから、カマツカがいたらわかると思うんだがなぁ....

 

モクズガニ

今回も見れたモクズガニ。コンクリートに生えた藻類を食べているようだった。手が届く距離にいたので捕まえようかと思ったが、あっという間に逃げられてしまった。

 

コバネイナゴ

上の1枚がオスで残り2枚はメス。微妙な色の違いを見つけるのが楽しい。というか、もうコバネイナゴの季節か....

 

ユムシ

秋の鳴く虫のイメージだったが、夏と秋の年2回発生らしい。

 

カワニナ

水底には大量のカワニナゲンジボタルが綺麗な川にしかいないのは、カワニナが綺麗な川にしか住めないからです!という人もいるが、カワニナもそんなに汚染に弱くは無さそうに思える。ここでゲンジボタルが発生しているかは知らない。

 

シジミ

カワニナだけでなくシジミの空殻(死骸)も大量。生きているものはいないかと石をひっくり返すとあっさり見つかった。わずか2つの石の下から合計8匹。生息数は多そうだ。根拠はないが外来種のタイワンシジミ類だと思う。在来種のマシジミの生息地にタイワンシジミ類が侵入すると、数年でマシジミが消失し、タイワンシジミ類に置換してしまう事例が報告されている。しかも外見ではマシジミと区別できないほど似ているので気づかれない。それどころかマシジミが帰ってきたと歓迎されることもあるとか。

 

ナマズ

コイに混じって泳いでいたナマズ。最初は背中にゴミが付いているのかと思ったが、よく見るとキズである。これほど大きなキズを負うとはいったい何があったのだろうか?

物陰で休憩中。この川にはコイに餌やりする人がおり、その餌を目当てにナマズも姿を見せる。個人のエゴではあるが、人に頼らず生きてほしいと思ってしまう一方で、人に頼っても良いからなんとか生き延びてほしいとも思ってしまう。

 

アオサギ

魚を狙って若いアオサギが歩き回っていた。やっぱりサギの細い嘴ではナマズにあんなキズは付けられないよな。

数時間探し回ったが、結局カマツカは見つけられず。この川にはカマツカはいないのか?ヨシノボリなども見つけられなかったので単に筆者が底モノを探すのが下手だった可能性はあるが。少し気になったのはカメがいなかったこと。スッポンだけでなくアカミミガメも見られなかった。数日前に大雨が降ったんだが、それが関係しているのか?鳥に関してはカワセミは見られたがカモは見られず。そしてイソヒヨドリがさえずり、モズがぐぜってた。

 

さらに別日にオイカワの産卵を撮影した川でも探してみたが、こちらでもカマツカは見られず。オイカワとカワムツばかりであった。

イカ

カワムツ

もしカマツカを見つけたら東京都で見たカマツカと比較したかったんだが、現実はそんなに甘くない。