コミュ障カラスの生き物ブログ

生き物好きなコミュ障が気ままに書くブログです。

姫路市立水族館 その2

※写真多過ぎ注意

その1はコチラ

再びやって来ました姫路市立水族館。時刻は14時。閉館まで3時間。前回とそんなに変わらないじゃないかって?仕方ないじゃんこの日しか兵庫に行けなかったんだから。

修理から戻ってきたP900を手に早速水族館へ。ちなみに今回も手柄山中央公園ビンズイを見たが、やっぱり写真は撮れなかった。

前回は新館しか見れなかったので今回は本館から見ようと思う。

(左から)マゴチ、コモンサカタザメ、ヒラメ

まずは播磨の磯や干潟の魚たち。こう見ると本当にヒラメ・カレイの仲間は独特な進化をしたものだと思う。みんな上下に平たくなっているのに、左右を平たくして眼を移動させるとは。異体類と呼ばれるのも納得である。

ヒガンフグ

平たい魚たち以外にもボラ、シマイサキ、ヒガンフグが展示されている。隅のほうでじっとしていたヒガンフグだが、ゆったりと動き出してこっちを見つめてきた。

ヒガンフグを撮っていると突然砂の中からエイが飛び出してきた。なんだこのエイは⁉解説パネルに無かったぞ⁉

ツバクロエイ

姿を現したエイはなんとも独特な形をしている。まるでステルス爆撃機。おかげでツバクロエイだとすぐにわかった。結構おいしいらしいが、出回ることはほとんどないという。簡単に捕れる魚でもないみたいだし(日本で食用にされるのはほとんどアカエイ)。実はIUCNレッドリストでVUに指定されている絶滅危惧種

砂に潜るツバクロエイ。マゴチもコモンサカタザメも砂に潜るが、ヒラメは砂に潜らないようだ。

砂に潜ったツバクロエイ。うっすら輪郭がわかる....かなぁ?ペラペラの魚体は簡単に海底と一体化する。噴水孔が見えるのでいるのはわかるが、その気で探さなければ見つけられないだろう。

 

下から見上げてみようと書いてある水槽。壁にかかっている懐中電灯で照らせということらしい。指示通りに見上げてみると....

カブトガニ

カブトガニの腹面と御対面。この発想は良いのか悪いのか。こう見ると確かに鋏角類だけあってクモやダニに似てる。かつては播磨にもいたが、今はいないらしい。カブトガニ類にはアジアに3種、北アメリカに1種の現存種がいるが、日本に分布するのはTachypleus tridentatus1種のみ。セカオワSaoriさんがカブトガニを飼育していたと話題になった(筆者も驚いた)が、流通しているのは外国産で、T. tridentatusは飼育できないようである

 

ソウシハギ

パリトキシンという猛毒を内臓に持つが、実は沖縄など一部地域では食用にされる。毒があるのは内臓だけで、身に毒は無いから(ただし、同じように内臓にパリトキシンを持つことがあるアオブダイの場合、筋肉を食べて中毒した例もあるとか)。カワハギの刺身は肝と一緒に食べるのが美味いとされるが、ソウシハギでそれやったら死にます。マジで。

 

マアナゴ

みっちりと詰まっている。公式サイトの写真通り。シェルターは3つ置かれているが、ぎゅうぎゅう詰めなのはこれだけで、他2つはスカスカだった。

 

ヌートリア

1階に降りるとヌートリアの展示室が。ヌートリアは南米原産の大型齧歯類。水上でも授乳できるよう乳首が背中寄りにあるらしい。日本には軍服の毛皮の材料&食用として導入されたが、終戦後に放逐・野生化した。西日本に主に定着している。

特定外来生物の飼養許可証。ヌートリア特定外来生物。飼養等は原則禁止だが、学術研究、展示、教育、生業の維持等の目的で行う場合については、主務大臣の許可を得ることで飼養等をすることが可能である。ちゃんと見えるところに貼られている。

 

キメンガニ

ヌートリアの隣には無脊椎動物のエリア。初めて見たキメンガニ。背中にウニなどを背負って身を隠すカニの一種で、後ろの4本の脚は物を背負うために特殊化している。この個体は観察用の透明なプラスチックを背負っている。

何も背負ってない個体がいたが、よく見ると下の個体に抱きかかえられてる。まさか交尾か?仮に産卵したとしても、水槽内で幼生が上手く成長出来るとは思えないが....

 

ムラサキウニ

食べているのはキャベツ。5本の歯が生えた口が見える。ウニはヒトデ同様五放射相称の生き物で、それ故に歯も5本。歯は頑丈で、植物の硬い茎も噛み切ってしまう。

 

シャコ

寿司ネタとして有名であり筆者も好きだが、生きている姿も格好良くて好き。派手な模様を持つトラフシャコやモンハナシャコなどは観賞用としても人気だというが、個人的にはシャコの落ち着いた色合いも、彼らに負けず劣らず美しいと思う。パッと見はエビに似るが、よく見るとそのボディプランは結構違う。類縁関係も意外と遠い。体はとても柔軟で、その場でくるりとUターンすることができる。反対に、エビのように素早く後ろに跳ねることはできない。

シャコ類最大の特徴といえば捕脚であろう。シャコ類の捕脚は種によってカマキリのカマのような形の刺撃型(spearer)と、棍棒状の打撃型(smasher)の大きく2タイプに分かれる。シャコは前者であり魚やゴカイを捕らえて食べるが、打撃を放つことも可能で、アサリなども殻を叩き割って食べてしまう。後者の代表格はモンハナシャコ。

ガラスに接した人工の巣穴。シャコは砂や泥の海底にU字型の穴を掘って生活する。これはそれを再現したもの。こういう工夫は結構好き。水槽の横にライトが備え付けられており、中を照らせるようになっている。

この個体は右の捕脚を失っている。他に隻眼の個体もおり、争いが多いことがうかがえる。この水槽には10匹以上のシャコがおり、なかなか過密状態なように思える。人に見せることと生き物の状態を良く保つことは、時には(というかだいたいは)対立してしまうものであるが、この水槽の個体数はもう少し減らしても良いのではないかと思う。どの個体も10〜15cmほどと大きく、人工の巣穴もあるから、来館者が見つけられないなんてことはなさそうだし。

 

白ナマコ

種としてはマナマコとのこと。マナマコは色彩変異が豊富だが、白いものは珍しいらしい。ちなみに赤いものは別種とする説もある。

 

コブダイ

続いては岩場の魚エリア。1mはありそうな大きなコブダイ。頭と下顎のコブは成長に従い大きくなる。筆者がコブダイと聞いて思い浮かべるのは、今は亡き佐渡の「弁慶」と、そのライバルであった「ゴル」である。1mを超える巨体と大きく発達したコブを持ち、「赤岩」と呼ばれる巨岩の上で20年近くも争い続けていたという。NHKダーウィンが来た!」や映画「OCEANS」でも取り上げられた。それ故、勝手に日本海の魚というイメージを持っていたが、瀬戸内海にも多く生息している。生息範囲は結構広いのだ。

 

ミノカサゴ

派手な見た目故か水族館ではお馴染み。生息範囲が広く手に入りやすいというのもあるのかも。ダイビングでも人気だそうだが、ヒレに毒棘を持つからなのか他の魚とは異なり、人が近づいても逃げない。そのためうっかり刺されてしまうこともあるようだ。あまり出回らないが食用とされることも。

 

イカナゴ

写真がボケていることについてはご容赦ください。動きの速いイカナゴにピントを合わせるのは難しいのだ。タイムリーなことに、つい最近X(旧Twitter)で危機的状況にあると知った。乱獲により東北ではほぼ絶滅状態。伊勢湾でも仔魚が採取されず、絶滅に近い状態にあると考えられる。実は播磨灘でもかなり危機的状況にある。このままではイカナゴも、瀬戸内海沿岸地方の郷土料理であるイカナゴの釘煮も消えてしまう。イカナゴに限った話ではないが、不漁不漁言いながら毎年捕るからね。ウナギ(ニホンウナギ)もそうだが、ずっと食べてきたものを突然食べるなとか、量を減らせと言われたら反発したくなるだろうし、それで生計を立てている人は苦しくなる。筆者のような人間は当事者ではないから好き放題言えるという面もあることは理解しているつもりである。しかし、このまま現状維持ではどう考えてもお先真っ暗なので、なんとか科学的根拠に基づく適切な資源管理をしてほしいものである。イカナゴだけがそうなってるわけではないのだし。

上層〜中層を泳ぎ回っていたが、しばらくすると下のほうに降りてきた。よく見ると口をパクパク動かしている。餌の時間だったようだ。

餌は沈殿タイプのようで砂の上を舞っている。イカナゴの尖った口では水底の餌は食べづらいんじゃないかと思ったが、水流で舞い上がるのでそんなこともないようだ。

砂に潜るイカナゴ。砂に潜っている個体がチラホラ見られるが、休息する際の行動だとか。図鑑やネットでは砂に潜るという行動について夏眠ばかり書かれていたが、単なる休息においても砂に潜るようである。

砂から顔やヒレが突き出ており、かろうじて居場所がわかる。しかし全身が隠れていることも少なくないので、見えてないからといって、そこにいないとは限らない。写真には頭が1つ、ヒレらしきものが3つ写っているが、この状況に気づいた筆者がカメラを構えた瞬間、2~3匹のイカナゴが砂に潜っていった。つまりこの写真に写っている範囲には6~7匹のイカナゴがいることになるのだが、ご覧の通り全くわからない。

砂に潜る瞬間を撮ろうと思ったが、速い・暗い・前触れがないの三重苦でとても無理。これが最良の写真。突然降下してズボッと潜ることもあれば、砂の上でゆったり泳いでからスーッと潜ることもある。この写真は後者の状況。前者は撮れん(断言)。

動画だったら撮れるんじゃ?と思ったが.... 結果はご覧の通り。

長くなったのでその3へ続く。