※写真多過ぎ注意
姫路市立水族館に行ってきました。
姫路市立水族館は、兵庫県姫路市の手柄山中央公園内にある水族館である。開館は1966年で、今年で58周年。新館、本館、屋上ビオトープの3つに分かれており、新館には里地の生き物やケヅメリクガメ、本館には里海の生き物やヌートリアなどが展示されている。
水族館に行く前に手柄山中央公園を探索。ハシブトガラス、ヒヨドリ、シジュウカラ、ウグイス、ハクセキレイなど、市街地の公園でよく見られるメンツ。しかしビンズイが目の前に現れたのは驚いた。写真は撮れなかったが。
遠くに見えるは姫路城。結局行かなかった。ちなみにこの日、なんか奇抜な格好をした人をよく見たが、コスプレイベントをやっていたことが後に発覚した。
太平洋戦全国戦災都市空爆死没者慰霊塔
突然線香の香りが漂ってきたので何かと思ったら、そういうことでしたか。広島でも長崎でもなく姫路にあるのがちょっと意外。
塔の周りには全国の死没者と罹災人口が。筆者の故郷の横浜市。横浜でもこんなに多いのか。
死没者が1万を超えていたのはこの4都市。原爆が落とされた広島と長崎は多いんだろうなと思ってはいたが、東京と大阪はなぜ?当時から人口が多かった?と思ったが、どちらも空襲を受けた都市だった。いずれにしろこれほどとは思わなかった。特に広島は桁が1つ違う。
日向市。調べると日向市になったのは1951年だとか。だからどちらも0なのか。
ようやく水族館へ。時刻は15時。17時閉館だからちょっと時間ないかもしれないけど、まあ大丈夫っしょ!(フラグ)
まずは新館へ。筆者は最近淡水魚がお好き。
姫路市立水族館の主な取り組み
入ってすぐにこんな看板が。どのような形で社会貢献しているのかを示すことは重要。
ヌマムツ
まずは河川下流域水槽。ヌマムツはカワムツに似ているが、胸ビレと腹ビレの前縁が赤く、鱗はより細かい。また、鰓蓋にも追星が現れる。
ワタカ
名前は聞いたことあるが見るのは初めて。体型はモツゴみたいだが遥かに大きい。水草や藻類を好んで食べる。本来の分布は琵琶湖・淀川水系で、環境省RLで絶滅危惧ⅠA類(CR)だが、琵琶湖産アユに紛れて各地で放流され、定着している。
同じくらいの太さなのが意外。もちろん大きなナマズだとウナギよりずっと太いんだけど、ナマズも細長い魚だし、ウナギも大きな個体だと結構太くなるからね。ナマズは何度か野外で見たけど、ウナギはまだ見たことない。ウナギはいつか野外で見てみたい魚の1つ。
鳥のオブジェ
生息環境の再現からか、所々に鳥のオブジェが。コサギのオブジェ、草に埋もれてる。
アユ
隣には河川中流域を再現した水槽。水位が30分ごとに変わるらしい。泳ぐアユを狙ったが、動き回るからどうしてもブレてしまう。シャッタースピード上げれば良いんだけど、あんまり上げると写真が暗くなってしまう。
露出を最大限上げて、暗くなり過ぎない程度にシャッタースピードを上げ、その写真をさらに明るく加工してこんな感じ。それでもちょっと暗いしブレてる。
アユを狙ったんだけど、ピントが合っているのはカワムツ。アユはずっと激しく動き回っているからかピントが合わない。カワムツはそれよりゆったり泳いでいるのでピントは合いやすい。
気づけば水位がこんなに低く。水位が下がると上流へ上がるらしい。水位が下がったんなら下流へ行ったほうが良さそうな気もするが、水位が下がったことではなく流れに反応しているのかも。
ついにジャンプ。ブレブレだが10分以上粘ってこれが最良の写真。展示の都合上、魚たちが乗り越えられるのはここしかないのでもっと近くで見たいのだが、近づくと魚が逃げてしまうのでそれはできない。
失敗ver. ジャンプしても乗り越えられないこともしばしばあった。
ジャンプしたが石の上に乗り上げてしまい、そこで跳ねて水に戻るアユ。連写したが、最初の乗り上げるところは撮れなかった。P900の連写は7枚までだし、筆者の反応速度では間に合わない(この後、P900には先取り撮影の設定があることを知る)。
上流側にはオイカワやムギツク。そして乗り越えたアユ。ちなみに筆者が見た限りでは、段差を乗り越えるのは全てアユ。カワムツやオイカワは降りることはあっても登ることはなかった。
ニホンイシガメ
奥にはニホンイシガメ。イシガメも野外で見てみたい生き物の1つ。筆者が子どもの頃は、まだ身近なカメの1種として図鑑に載っていたが、いつからか希少なカメの代表のような扱いになってしまった。
ヤマメ(上)とイワナ(下)
アユたちの水槽の隣には、ヤマメとイワナが展示されている上流部を再現した水槽。どちらも生息地の減少や放流の影響で、野外ではあまり良い状況ではない。サケ・マスもいつか野外で見てみたい。
子どもを抱えるメス。過去、一度だけ、飼育していたアメザリが持ち腹で産卵したことがある。結局孵化まではいけたがその後は上手くいかなかった。もう一度挑戦しようと交配を試みて、なんとか交尾はさせたものの、産んだ卵は無精卵で失敗に終わった。
サワガニ
一生を淡水で過ごすカニだが、海流(黒潮)に乗って分布を拡大した可能性が示唆された(論文はコチラ(英語)。プレスリリースはコチラ)。筆者の近所で見るサワガニは青白いタイプで、件の論文に従えば海流分散で屋久島周辺からやって来た可能性が高いということになる。身近な生き物にも、まだまだ謎が隠されているのですな。
日本産ゲンゴロウ最大種。昔はそこまで大きいとは思えなかったが、多少なりとも水生昆虫をかじった今はかなりの巨大種に見える。いつか野外で見たい生き物の1つだが、東京や神奈川では絶滅しているので難易度は高いだろう。関係ないがよく見ると水底にはミズムシ(甲殻類)が。
ゲンゴロウは去年から特定第二種国内希少野生動植物種に指定され、販売目的での採集は禁止となった。特定第二に指定されている昆虫には、他にタガメやコバンムシがいる(分類技能検定のために覚えた)。
驚くことに彼らは水族館で繁殖させたものだとか。飼育下繁殖が進むのは喜ばしい。繁殖に必要な条件が分かれば生息地保全に役立つし、万が一の際の系統保存にもなる。
ここでトラブル発生。P900を落として動作不良に.... ストラップを肩にかけていたのだが、落ちた荷物を拾おうとしゃがんだ際に滑り落ちてしまった。高さは20cmほどだったが、当たり所が悪かったのか電源がつかなくなってしまった。仕方ないのでここからはスマホで撮影。
北海道と沖縄を除く日本全国に分布するヒキガエルだが、西日本にいるのは亜種ニホンヒキガエル。筆者が今まで見てきたのは東日本に分布する亜種アズマヒキガエル。鼓膜の大きさが違うらしいのだが、正直よくわかんなかったです....
カエルと共に日本の水辺の生き物の代表格。地域ごとに遺伝的な違いがあり、それが体の色や模様に表れているらしい。放流はダメ。
イモリがいればヤモリもいる。筆者は昔、イモリとヤモリの違いを聞かれ、見た目があまりにも違うので逆に答えられなかったことがある。印象を言語化しておくのは大事。
子どもの頃、名前や見た目がいかついので大型魚だと思っていたが、思っていたよりずっと小さくて驚いた思い出。いつか野外で(以下略)。環境省RLで絶滅危惧IB類 (EN)に指定されているが、その一方で各地で放流されている。
スイゲンゼニタナゴ(カゼトゲタナゴ山陽集団)
ヤリタナゴ
ニッポンバラタナゴ
アブラボテ
まだ繁殖期には早いがうっすらと色づいており、これはこれで美しい。いつか野外で(以下略)。多くの種が絶滅危惧種のタナゴ類。レッドリストに掲載されていないのはカネヒラのみである。イシガイ目の二枚貝に産卵するという習性上、イシガイ目がたくさんいるような環境でないと生きていけない。そしてそんな環境は他のタナゴ類にとっても好適な環境である。観賞・釣り目的、あるいはその希少性ゆえの放流が各地で行われており、絶滅危惧種なのに国内外来種として他のタナゴ類を追いやっているなんてことも....
カワヒガイ
こちらも二枚貝に産卵するヒガイ。琵琶湖には固有亜種のビワヒガイ、それ以外の近畿~中国地方および九州にはカワヒガイが分布する。ビワヒガイの放流により遺伝的撹乱が危惧されている。放流はダメ。
国内希少野生動植物種に指定されているカワバタモロコ。現時点では魚類で唯一の特定第二指定である。生息が確認されている全ての府県でレッドデータブックに記載されている。今の時期の見た目は地味だが、繁殖期のオスは見事な金色の婚姻色を呈す。図鑑やネットでしか見られない生き物が今、目の前にいるという事実に胸が熱くなる。
アユモドキ
こちらも国内希少野生動植物種。カワバタモロコとは違い特定第二ではないが、こっちは国指定の天然記念物。環境省RLのほかIUCNのレッドリストにもCRとして掲載されている。アユモドキが絶滅寸前だと知ったときは本当にショックだった。子どものときTVで見て存在を知ったが、独特な見た目とか、雨によって出来た水溜まりに産卵するとか、卵は1日で孵化するとか衝撃的なことばかりで、20年近く経った今でも覚えている。野外で見るのは絶望的なので、水族館でも良いからずっと見たいと思っていた。出会えて感激。
特定外来生物。展示個体は甲長30cmほどだが、大きなものは40cmを超えるという。筆者はまだ野外で見たことはないが、神奈川県を含め日本各地でしばしば見つかっている。
特定外来生物。カミツキガメより一回り大きく、甲長40cmはありそう。カミツキガメほどではないが、こちらも神奈川県含め日本のあちこちで見つかっている。
こちらは幼体。これでも甲長20cmほどで、アカミミガメの成体なみのサイズ。頭のサイズはアカミミガメとは比べ物にならないが。
特定外来生物。大きなものは3mを超えるとされるが、展示個体はだいたい1〜1.5mといったところだろうか?凶暴で危険な魚と紹介されることもあるが、実は丸吞みにできるサイズの獲物しか襲わないし、省エネなので食べる量も少なかったりする。とはいえ体が大きいので獲物のサイズも大きくなるし、エナメル質に覆われたガノイン鱗と呼ばれる鱗を持っており、幼魚でも襲われにくい。日本の水生生物では太刀打ちできない。
ガラ・ルファ(Garra rufa)
「スキンケアフィッシュ」とあったが、筆者が子どもの頃は「ドクターフィッシュ」の名で知られていた。名前変わったのか?
もう少し見ていたかったが、この時点で時刻は16:50。冒頭でも書いたが、ここは17時閉館。飼育員さん達が片付けの準備を始めたのでもう出なくてはいけない。
最後に中流域水槽とナマズを撮影。筆者が1つ1つの展示に時間をかけ過ぎているというのもあるが、コンパクトだが密度があり、とても2〜3時間では足りない。1日使い切るつもりで臨んだほうが良いかも。
その2へ続く