やはり自分はイカれている。初めてヒメマイマイカブリを採ってわずか3日。リベンジをすべく神奈川県のS川へ向かう。
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ヒメマイマイカブリついでに鳥見のはずが・・・ - コミュ障カラスの生き物ブログ
前回行ったところ(東京都T川)は有名産地で荒らされまくってたが、今回行くところはそこに比べればいくぶんマイナーな場所である。それに比較的広い河畔林があるので荒らされてないポイントも多いだろう。
最寄り駅から歩いて10分ほど。いい感じの河畔林が広がっている・・・ように見える。素人なので断言は出来ない。
とりあえずそこら辺に落ちているいい感じに湿った倒木を引っくり返してみる。
なんと裏側、そして倒木と接していた地面までカラカラに乾いている。
何故?と思ったが理由はすぐにわかった。前日に降った雨で表面だけ濡れたのだ。雨上がりだと良物件っぽく見えてしまい少し探しづらいと聞いたことがある。気をつけなければ。
しかしこの材にはクワガタか何かの食痕がたくさんある。気になったので割ってみる。
お! やっぱり出た!
大きさからしてメスだろうと思ったがオスだった。20mmほどの極小オス。ちょっと迷ったが持って帰ることにした。
デオキノコムシの一種
朽木の表面を這っていた。これも持って帰る。デオキノコムシなんて分類群初めて聞いた。
少し移動すると良さそうな木を発見。幹の内側が腐ってほとんど空洞になっており、そこに土砂がたまっている。しかし木はまだ生きておりその土砂に根を張っている。これは居そう。掘ってみる。
掘ること約5分。アオゴミムシ1匹とクモが数匹出てきたくらい。諦めかけたとき突然大きな虫が這い出てきた。不意打ちをくらい思わず払いのけてしまった。
これは!!!
地面でもがくその虫はどうみてもヤツだ。
ヒメマイマイカブリ
やった!! ついに自力で採集できた!
大きさはT川の個体と同じくらいだが正直ちょっと小さく見える。
前回採ったやつに比べ細い、そして平たい。初めて採ったときは「マイマイカブリって意外と太いんだな」と思ったが今回の個体はそこまでではない。
T川の個体は頭部と前胸が紺色だったがこの個体はほぼ真っ黒。地域差?それとも個体差?
やっぱりこの木にはいるんだ! と自分の予想が合っていたことに気を良くしながら、1匹目が出たところを重点的に掘る。するとすぐに何かがコロコロと転がり落ちてきた。
早くも2匹目。何匹かまとまっているだろうという予想が的中。わりと良い物件を引き当てたようだ。
君、なんかデカくね? 50mmくらいあるんじゃないかと思って1匹目と比べてみたがそんなに変わらなかった。
しかし1匹目と比べ明らかに太いし分厚い。この体型のせいで全長以上に大きく見えたようだ。もしかしてこれはメスで1匹目はオスなのだろうか?
そしてこの個体も頭部と前胸はほぼ真っ黒。やはり地域差なのか。最初は地味だと思ったがこれはこれで結構良いかも。
この後同じところを掘っても出てこなかったので移動しようかと思ったが、少し高いところからマイマイの死骸が。
まだこの木にはいると確信し死骸が出たところを掘ると・・・
見つけた。他の昆虫の食痕か何かの中に入っている。指を突っ込めるほど広くないのでピンセットで引っ張り出そうとするも上手くいかず。仕方ないので棒で突っついて追い出すことに。
しかし予想外に苦戦し格闘すること5分。
ようやく出てきた。でもなんか小さい?
手に取ってみてもやはり小さく感じる。でも長さも体型も1匹目とそんなに変わらなかった。2匹目がデカかったから相対的に小さく見えたのか?
そしてやはり真っ黒。3匹ともそうってことは地域差なんだろうな。
3匹目を採った穴の中にもう1匹いるのがわかったが、奥に入ってしまい出すのは難しそうだ。それに一度に3匹も採れればもう充分。これで終了し帰ることにした。
ちなみにここでもノスリ、ハヤブサ、トビを見れた。やっぱりこういう環境は猛禽が多い。
ボンドパック後(左が3匹目、真ん中が1匹目、右が2匹目)
並べるとこんな感じ。全長はそれぞれ
40mm(1匹目)
44mm(2匹目)
37mm(3匹目)
だった。まずまずの大きさである。詳細な比較はまた後にやるとして、やっぱり2匹目は太い。
前から(1匹ずつ撮ればよかったと後悔)
口ひげを見ると2匹目は先端の広がりが弱い。つまり2匹目はメスである。やはり体型の違いは雌雄の違いだったのだ。そして前回採ったT川の個体はメスだった。そりゃ太く感じるわけだ。
ちなみに3匹目、口ひげと脚のフ節が左側のみ欠けている。フ節や触角の欠損自体は珍しくもなんともないが、左側のみというのはある意味珍しいかも。
3匹とも頭部と前胸にいくらか青みがあるが、ほぼ真っ黒と言って良いだろう。3個体しか採っていないが3匹とも同じ色なのでこの地域の個体群はそうなのだろう。前回の場所とは直線距離にして20kmほどしか離れていないが、一生飛ぶことがないこの虫の交流を途絶えさせるには充分な距離なのだろう(距離ではなく住宅地や河川が障壁なのかもしれないが)。
余談だがこのときのツイートが久しぶりに50いいねを超えた。
— s6m3s3n4? (@s6m3s3n4) 2021年1月25日
この少し前にマイマイカブリのツイートをした人を何人もフォローしたからだろうが、正直クビワキンクロのツイートのほうが伸びてほしかった。なかなかうまくいかないものである。
成果
デオキノコムシの一種(1)
コクワガタ(1)
ヒメマイマイカブリ(3)