自分はTwitterをにぎわせている生き物を見たくなるという習性があるらしい。Twitterでムネアカハラビロカマキリが騒がしくなると無性に見たくなってしまったので、去年も訪れた県内の某緑地へ行ってきました(去年の記事はコチラ→ムネアカハラビロカマキリ その2 - コミュ障カラスの生き物ブログ)。
前回も書いたがここは動植物の採集が禁止なので、その周辺の公園などを探す。
前回にムネアカを採った家の近くに来ると、またもや家の壁に張り付いていた(写真はなし)。
今年も発生していることが確認できた。去年張り付いていたのはメスだったが今年はオス。
このオス、昼間なのに複眼が黒っぽいので不思議に思いよく見ると、複眼が両方とも少しへこんでいる。さらに前胸も一部へこんでいる。そのうえ口が開かないようで、捕まったとき抵抗しようとかじりつこうとするが口を押しつけるだけになってしまっている。そのせいかお腹はぺしゃんこ。もう長生き出来ないだろう。
前半身はそのようにキズが目立つが後半身にキズはほとんどなく、特に翅はピカピカ。そんなに老齢というわけでもなさそう。また、へこんでいる部分は複眼や前胸など硬い部分なのに割れたようなヒビはないので、羽化後あまり時間が経たないうちに何か事故が起きたようである。
もう1匹くらいいないかと周囲を探したがなかなか見つからず。1時間以上歩き続けてようやく見つけた。ムネアカハラビロカマキリ(メス)
やはりパッと見はハラビロカマキリに似ている。センダングサの花に集まる昆虫を狙っていた。
雌雄1匹ずつ採れればもう充分なのでこれで終了。神奈川県西部ではもう珍しくないらしいが、自分の近所には全くいない。なので見れるとちょっと嬉しい。
以下は自宅で撮影。オス
両の複眼と前胸の先端部分がへこんでいるし、前胸にはキズと思われる黒い点が多数あり、前脚のフ節が片方ない。しかし翅はピカピカで汚れもほとんどない。頭部から翅の先端まで77mmもある大きな個体であった。
メス
こちらもキズや汚れがほとんどない綺麗な個体。71mmくらいであったがオスよりはるかにがっしりしているので小さく(というか短く)見えない。ネットだとオスのほうが大きいと書かれていたりするが、大きさというのは個体差が激しいものなので個人的にはそうした記述はあまり信用していない。あとオスのほうが翅長いし。
こうして見ると、メスはオスより白っぽい色味をしているように見える。オオカマも同じで緑でも茶色でもメスのほうがやや白っぽい(なかにはオスと同じような色のメスもいるけど)。あとやっぱりオスは翅が透き通っている。
雌雄の比較についてはコチラの記事も参考→ムネアカハラビロカマキリ 雌雄の標本比較 - コミュ障カラスの生き物ブログ
前胸腹面の色を比較。オス
メス
前も言ったけどメスのほうが赤みが薄いように見える。若干だけど。
ムネアカハラビロカマキリは名前だけは一般にも知られ始めているっぽいが、それゆえに在来ハラビロどころかオオカマまでムネアカとされている事例を(ネットで)よく見る。在来ハラビロはともかくオオカマとは全く似ていないのでネット使えるんなら検索しようぜ....と思ったりするが、あまり詳しくない人には同じに見えるんだろうな。自分の親もクロヤマアリとトビイロケアリが同じに見えるらしいので、自分の感覚で語ってはいけないと肝に銘じなければならない。
今回行った緑地のように採集禁止の場所に外来種がいるのを見ると、一部は採集OKにしても良いのではないかと思ったりするが、所謂「普通の人」は見分けがつかないので禁止されてる種も採られる可能性が高い。それに見分けがつかない振りをして禁止されてる種を狙って採っていくような輩から防ぐことが難しくなる。全部禁止にしたほうが保護という面では結局プラスになるのかもしれない。