以前の記事(→みたび某遊水池 - コミュ障カラスの生き物ブログ)の冒頭でヒタキ類は見分けられる自信もなければ見つけられる自信もないと書いていたがそんな僕がヒタキ類を見つける日が来てしまった。
別に探していたわけではない。森の縁にある道路を当てもなく歩いていたら電線に止まっている小鳥を見つけたのだ。そのシルエットですぐにヒタキだと分かった。だって図鑑に載っているオオルリとかと同じ止まり方をしているんだもの。そりゃ一発でわかる。
この日はもともと別の場所で鳥見をするつもりでカメラを持ってきていたのだが、予報より早く雨が降りそうだったので中止して屋根がある場所の近くで虫捕りをしていた。何か運命的なものさえ感じる。
30分ほど観察していたが、その間少なくとも2種、3羽の個体を見ることができた。明らかに尾の長さが異なっていたため2種いたことはわかったがどちらが何なのかわからないので写真を見ながらじっくり同定していく。
〈参考にしたサイト〉
コサメビタキ・エゾビタキ・サメビタキの識別 サメビタキ属3種の渋さにこだわる 大阪南港野鳥園
http://www.osaka-nankou-bird-sanctuary.com/o.n.b.s_web/topcontents2015/samebitaki_group/samehitaki_group.html
似た野鳥の見分け方のポイント ビギナーのための楽しいバードウォッチングガイド
http://saitama-nature.image.coocan.jp/miwakekata.htm
独断と偏見の識別講座Ⅱ 第55回 Flycatchers Ⅲ <エゾビタキ、サメビタキ、コサメビタキ> くまたか 日本野鳥の会築豊支部@福岡県
http://yacho.org/cbird/pages/4_kazakiri/hatano/course2_55.htm
なお、このヒタキたちは森から出て電線に止まり、しばらくしてまた森に入るという行動を繰り返していたため、同じ種だからといって同一個体である保証は無い。
胸の縦斑が目立つこと、胸の地色が白であること、顎線と頬線の間が明色であることから エゾビタキの可能性が高い。
嘴の太さは比べてみないとわからない。しかし下尾筒に暗色軸斑は無さそうである。顎線はやはり明瞭である。
ちょっと気になったのがこれらの写真。サメビタキは幼羽雨覆羽縁が淡橙色らしいが、こんな感じの色なのだろうか?ただ、これらの写真の個体は雨覆以外はエゾビタキっぽいし、淡橙色をしているのは雨覆の前半だけである。ちょっと変わったエゾビタキということか?というか成鳥のエゾの特徴かも。
もう1羽エゾビタキが現れたがこちらには背中に斑点がある。これは幼鳥の特徴らしい。
エゾビタキより明らかに尾が長い鳥が現れたのでてっきりメジロかシジュウカラかと思っていたがこれもヒタキである。
胸に縦斑は無く一様である。エゾビタキと比べるとやや嘴が長いように感じる。目先の淡色部は無さそうである。
嘴の基部に黄色い部分があるのはわかるが広さがはっきりしない。嘴の幅はエゾビタキより広そうである。また、うっすらと顎線があるのがわかる。こちらも下尾筒に暗色軸斑は無さそう。
さっき目先の淡色部は無さそうと書いたがこの2枚を見るとありそうである。このアングルでは三列風切の長さと初列風切の突出の長さを比べるのは難しい。コサメビタキなら初列の突出のほうが短い。
かなり悩んだが嘴の長さと幅、顎線、アイリングからコサメビタキということにした。どれもこれも個体差があるらしいので自信がないけどなんとなく画像検索で出てきたサメビタキとは顔つきが違う気がする。たぶんキビタキのメスでもない・・・はず。
以上、ちょっとどころじゃなくモヤっとしたが、今回のサメビタキ属はエゾビタキとコサメビタキだと思われる。かなりガバガバな同定であるがサメビタキ属は初めてなので大目に見てほしい。最初から同定ポイントがわかっていたらそれに使えそうな写真を撮るのだが、今回のようにどこで区別するかもわからないものを後から同定しようとすると不十分な写真となってしまうことがそこそこある。これに関しては気をつけようとしたって無理である。
そういえば奄美で、写真は撮れたものの同定が出来ず種不明として処理したシギがいるんだが、今ならなんとか同定出来るんじゃないか?