コミュ障カラスの生き物ブログ

生き物好きなコミュ障が気ままに書くブログです。

海 ー生命のみなもとー

※長文&写真多すぎ注意

 

国立科学博物館特別展「海ー生命のみなもとー」に行って来ました。

 

原始地球と水の来歴について

高校の頃に化学や生物で見たような気がする。この辺りは大学でも流す程度にしかやらなかった記憶。ちなみに図録ではもっと詳しく書いてあります。

 

24億年前の石英に含まれる海水

初っ端からとんでもないものをお出ししてきた。24億年前の海水が液体で保存されているというのである。

真核生物の誕生

筆者は細胞内共生説として習ったが、もはや定説と言って良いだろう。嫌気性のアーキア古細菌)が元になっているというのはどっかで聞いたような気もするがよく覚えていない。

 

真核生物の進化

真核生物の誕生に対し葉緑体の獲得はサラッと触れている程度な感じ。下の図は最新のスーパーグループかな?オピストコンタという単語しか覚えてないが、この図だとオピストコンツとなっている。

 

ディッキンソニア・コスタタ(Dickinsonia costata

エディアカラ生物群の顔と言っても過言ではないディッキンソニアさん!?

 

ピカイア・グラシレンス(Pikaia gracilens

一時期は人類最古の祖先とまで言われたが、澄江動物群の発見によりあえなくその地位を失った。それでもバージェス動物群の、それどころかカンブリア紀の生物の顔として君臨し続けている。

 

ハイコウイクチス・エルカイクネンシス(Haikouichthys ercaicunensis

ミロクンミンギア(Myllokunmingia fengjiaoa)と並ぶ史上最古の魚の一種。ピカイアが人類の祖先という地位を失った理由の1つ。

 

ゲイコツナメクジウオ

ゲイコツって鯨骨のこと?と思ったら予想通り。彼らは鯨骨生物群集の一員だそう。

 

インドネシアシーラカンスLatimeria menadoensis

アクアマリンふくしまから遥々科博までやって来た。やはりシーラカンスは人気なようで大きな人だかりが出来ていた。

正面から。顔の右側は組織が一部採られ、眼球もくり抜かれている。魚類の分類学的研究では左体側を使うため、標本は左体側を完全な状態で残さなければならない。サンプルの採取は必ず右体側である。

 

軽石ラフト

そういやありましたね。軽石が流れてきたことが。

 

黒潮大蛇行

テレビで聞いたことはあったが、5年以上も続いているらしい。毎年起こるものだと勘違いしていた。

 

黒潮の魚類

個性的な見た目や色をした魚たち。作り物だと思ってる人もいたようだが、全て実物だそう。魚の剥製は色を塗ったりするからちょっと作り物っぽく見えるよね。

 

スジイルカ

模様がかっこいいイルカ。水族館ではあまり見ない。近年ストランディングが増えているらしい。

申し訳程度の骨盤。尾椎の棘突起には前方へ伸びる突起が。

頸椎。シロイルカやカワイルカなどを除き、鯨類の頸椎はほとんど癒合しており動かすことができない。こんな見た目だがちゃんと頸椎は7つあるらしい。

一番後ろの肋骨が脊椎とつながっていない。反対側も同じようになっていたが、元々こういう構造なのだろうか?それともこの個体はまだ若く、骨が癒合していないのか?

 

アオウミガメ

アカウミガメ

タイマイ

日本で確認されているウミガメは2科6種。そのうち日本で産卵した記録があるのはアオウミガメ、アカウミガメタイマイ、オサガメの4種。オサガメの産卵記録はほとんどないので日本で産卵するのは実質3種。

ウミガメは全種がワシントン条約に記載されており、譲渡等が原則禁止されている。そういえば筆者の祖父母の家にウミガメの剝製があったなぁ....

 

親潮の魚類

黒潮の魚たちに比べ見た目は地味だが、それはそれで良き。黒潮に比べ種数は少ないものの生息量は多いという。

 

深海性の節足動物

有名なダイオウグソクムシはここにはいなかった。全部思ってたよりデカい。深海性だからか?ウミコロギスにコロギスっぽさがないけど、なんでそんな名前がついたんだろう?そしてダイダラボッチってすごい名前だな.... ヨコエビの仲間(端脚目)最大種だかららしいが、巨人の名をつけるとは。

 

ナガスクジラ

世界で2番目に長いクジラ。体重ではセミクジラやホッキョククジラのほうが重い。そう考えると長さも重さも1位のシロナガスクジラって凄いんすね。解説パネルで下顎の右側は白く、左側は黒いということを初めて知った。じゃあこの模型も裏側(左側)は黒いのかと思い回り込むと....

裏側は骨格でした。2012年1月に東京湾座礁した個体を元に作られたとのこと。

 

ホホジロザメ

一般の人にとってサメと言えばホホジロザメと言っても良いくらい有名なサメ。しかしホホジロザメへの理解が広まっているわけではなく、誤解も非常に多い生き物である。だいたい映画とそれに乗っかったメディアのせい。まあ実際、非常に危険な生き物ではある。

良い具合にパネルの後ろに顔が来る。ここだけ見るとちょっとテーマパークっぽい。

 

メガマウス

メガマウスザメ」と表記されていたが、個人的にはメガマウス表記のほうが好き。最近(と言っても50年近く前だが)発見され、メディアにも登場する機会が多く、知名度は高め。つーかプランクトン食の大型鮫3種の中で、ウバザメだけ扱い悪くないっすかね?

 

ホエールポンプ

鯨類や大型鮫は深海と海面を行き来しており、それに伴って栄養塩や熱が移動することをホエールポンプと呼ぶらしい。単に海をかき混ぜているという意味かと思ったが、それだけでなく糞や尿などによる栄養の循環も含まれているようだ。

 

ジャイアントケルプ

海藻も押し葉標本にするんだ.... っていうのが最初の感想。ラベルごと展示されており、2004年にモントレー湾で採集されたことがわかる。

 

ユメゴンドウとシワハイルカのマスストランディング

ゴンドウクジラ類が集団座礁(マスストランディング)をすることは聞いたことがあった。ミトコンドリアDNAのCR領域を調べるたところ、ユメゴンドウの群れは強い母系集団だったのに対し、シワハイルカの群れの血縁関係は遠かったとのこと。

 

大阪湾のマッコウクジラ

博物館やボランティアは動く気満々だったけど、結局海に戻されてしまったオスのマッコウクジラ。「標本の申し出がなかった」という声明に対しては大阪市やメディアに対して生き物クラスタからの批判が多かったのはよく覚えている。そして生き物クラスタの批判を批判してた一般人の声も。この展示で標本がいかに重要なものか理解してくれる人が増えることを願う。ていうかマッコウクジラって上顎歯あったんすね.... 知りませんでした....

 

アマミトゲネズミ(左)とアカネズミ(右)

人類の琉球列島への渡来がメインなのだが、琉球列島の自然に関する展示も一部あった。筆者はアマミトゲネズミは死体のみ見たことがある。そしてその近くにはネコがいた。路上だったのでロードキルの可能性もあるが....

余談だがアマミトゲネズミは染色体数が雌雄とも2n=25(24+X)で、性染色体はXO型。つまりオスもY染色体を持っていない。Y染色体上にあった遺伝子がどこかに移動し、Y染色体が必要なくなったと考えられている。ちなみにトクノシマトゲネズミは染色体数が2n=45で性染色体はXO型、オキナワトゲネズミは2n=44で性染色体は人間と同じXY型であるが、X染色体とY染色体の区別は不明瞭である。この3種の中でオキナワトゲネズミが最初に分岐したらしい。

 

貝塚の中身を調べる

イボキサゴの稚貝が含まれていないことについては、ルールを定めていたというよりは単に食べ出がなかっただけのような気もするが。なんせイボキサゴは成貝でも殻径2cmほどしかないのだから(図録にはイボキサゴ以外の貝類も稚貝が含まれていないようにとれる書き方がされている)。

 

ホッキョクグマ(成獣)

ホッキョクグマ(幼獣)

地球温暖化防止を呼びかける際の看板となっている動物の1つ。このまま温暖化が進むと氷の上で狩りをする彼らは住処を失う。それだけでなく、ゴミを狙って住宅地に侵入したりもしている。ヒグマの北上などもあり、問題は山積み、かつ一筋縄ではいかない。

幼獣の脚。こんなに毛長かったっけ?足がほとんど見えないんですが。

 

ヨコヅナイワシ

2016年に採集、2021年に新種記載されたセキトリイワシ科最大の魚であり、深海のトッププレデター(頂点捕食者)の1つと考えられている。展示されているのはパラタイプ。上の絵は2021年に撮影された大型個体を元に描かれたもの。

イワシだってー!」という親御さんに対し「イワシじゃなくてセキトリイワシだよ!」というお子さん。それに対し「そうだね~」と流されるか「でもイワシって書いてあるよ~」と親御さんに言われ沈められる子どもたち。子どもたちよ、自信を持て。君らが正しいんだ!イワシはニシン目だがセキトリイワシはニギス目なんだ!

 

ウロコフネタマガイスケーリーフット

硫化鉄の鱗を持つ、インド洋の3か所の熱水噴出孔でしか確認されていない巻貝。2019年にIUCNレッドリストでEN(Endangered:危機)に指定された。日本近海には生息していないので環境省レッドリストには未記載。

 

ニホンウナギ

アクアマリンふくしまでの展示が印象的だった。筆者には信じがたいが、昔は簡単に捕れる魚だったらしい。密漁・密輸が横行している可能性もあり、気をつけなければいけない。

 

シャチと生物濃縮

パネルに載っているのはPCB(ポリ塩化ビフェニル)。有名どころはDDT。ちなみにトリチウムは生物濃縮しないらしい。

 

NHKが深海で生きたダイオウイカを撮影してからもう10年か.... 最近撮られたような気もするけどそんなに経っていたか。

 

アマミホシゾラフグの撮影は2012年か。もっと前だったような気もしていた。なお、アマミホシゾラフグの記載は2014年である。

 

DASH海岸

自然番組は生き物クラスタから批判が起きる場合がしばしばあるのだが、DASH海岸はそれが少なくて驚いた記憶。

 

名前通り海に関するありとあらゆることを取り上げた感じの展示。筆者の興味が生物に偏っているので、記事の内容も生物寄りになってしまったが、船の模型なども展示されており生き物クラスタ以外にも刺さるのでは?と思わせる内容だった。

カマツカを探しに

9月某日、東京都某所の多摩川の支流でカマツカの一種を見つけた。

カマツカは2019年にカマツカ、ナガレカマツカ、スナゴカマツカの3種に分けられた。分布域から考えると今回筆者が見たのはスナゴカマツカである.... と言いたいところだが、多摩川水系外来種が多いことで有名であり、実際この写真にもカワムツ(東日本には本来分布しない)が写っている。本当にスナゴカマツカだろうか?

疑って見てみるとやはりと言うべきか、スナゴっぽくはない。吻は長く、口ひげは短い。見た目はカマツカに似ている。おそらくカマツカか、あるいは雑種だろう。

さて、この河川は住宅街を流れており、カマツカって意外と身近に見られる魚なんだなぁと思った筆者であるが、もしかしたら自分の周りにもカマツカがいるのかもしれないと思うようになった。その理由はこの写真である。

以前アユを撮影したときにスッポンが出たので撮影した(記事はコチラ→清流じゃなくても - コミュ障カラスの生き物ブログ)のだが、この写真をよく見ると、水底に魚がいるのがわかる。

上の写真を拡大したもの。ヨシノボリなどハゼの仲間にも見えるが、カラーリングがカマツカっぽくも見える。ただ、カマツカにしては小さいのでハゼの可能性のほうが高いだろう。しかし気になると止まらない筆者のこと。万に一つの可能性にかけてカマツカを探してみることにした。

 

この川を訪れるのはアユの撮影以来、およそ2ヶ月ぶり。双眼鏡にカメラと準備は万端である(なぜ双眼鏡?と思われるかもしれないが、筆者は網や胴長を持っていないのだ)。

イカ

相変わらず多い。10cmを超える成魚からメダカサイズの幼魚まで多数の個体が見られる。産卵期は夏まで続くが、さすがに婚姻色は薄くなっている。ちなみにこの川ではなぜかカワムツは見ない。オイカワの産卵を撮影した河川と水系は同じだから、いてもおかしくないのだが。

 

アユ

以前来たときより随分減っている。上流へ行ったのか、それとも下流へ行ったのか。

相変わらず豪快な採餌だこと。以前と違い、アユがオイカワを追い払うところは見られなかった。岩に突進するアユにオイカワはビビっているようではあったが。

 

メダカとヌマエビの仲間

メダカはたぶんミナミメダカ。ヌマエビは.... なんだろう?シナヌマエビか、あるいはそれに近縁なカワリヌマエビ属の一種と思われる。メダカはともかく、エビのほうはほぼ確実に外来種

昔はこういう色や体型のエビはミナミヌマエビしか知らなかったから、ミナミヌマエビが近所にいると思っていた。実際はシナヌマエビなど外来のエビだったわけだが。でもミナミヌマエビは東日本にはいないから、ミナミヌマエビだったらそれはそれでヤバい。

 

アメリカザリガニ

明らかにオイカワやアユではないものが水底をシュッと移動したので、いたか!?と思い双眼鏡を覗くとザリガニ。こういうのを見つけられるから、カマツカがいたらわかると思うんだがなぁ....

 

モクズガニ

今回も見れたモクズガニ。コンクリートに生えた藻類を食べているようだった。手が届く距離にいたので捕まえようかと思ったが、あっという間に逃げられてしまった。

 

コバネイナゴ

上の1枚がオスで残り2枚はメス。微妙な色の違いを見つけるのが楽しい。というか、もうコバネイナゴの季節か....

 

ユムシ

秋の鳴く虫のイメージだったが、夏と秋の年2回発生らしい。

 

カワニナ

水底には大量のカワニナゲンジボタルが綺麗な川にしかいないのは、カワニナが綺麗な川にしか住めないからです!という人もいるが、カワニナもそんなに汚染に弱くは無さそうに思える。ここでゲンジボタルが発生しているかは知らない。

 

シジミ

カワニナだけでなくシジミの空殻(死骸)も大量。生きているものはいないかと石をひっくり返すとあっさり見つかった。わずか2つの石の下から合計8匹。生息数は多そうだ。根拠はないが外来種のタイワンシジミ類だと思う。在来種のマシジミの生息地にタイワンシジミ類が侵入すると、数年でマシジミが消失し、タイワンシジミ類に置換してしまう事例が報告されている。しかも外見ではマシジミと区別できないほど似ているので気づかれない。それどころかマシジミが帰ってきたと歓迎されることもあるとか。

 

ナマズ

コイに混じって泳いでいたナマズ。最初は背中にゴミが付いているのかと思ったが、よく見るとキズである。これほど大きなキズを負うとはいったい何があったのだろうか?

物陰で休憩中。この川にはコイに餌やりする人がおり、その餌を目当てにナマズも姿を見せる。個人のエゴではあるが、人に頼らず生きてほしいと思ってしまう一方で、人に頼っても良いからなんとか生き延びてほしいとも思ってしまう。

 

アオサギ

魚を狙って若いアオサギが歩き回っていた。やっぱりサギの細い嘴ではナマズにあんなキズは付けられないよな。

数時間探し回ったが、結局カマツカは見つけられず。この川にはカマツカはいないのか?ヨシノボリなども見つけられなかったので単に筆者が底モノを探すのが下手だった可能性はあるが。少し気になったのはカメがいなかったこと。スッポンだけでなくアカミミガメも見られなかった。数日前に大雨が降ったんだが、それが関係しているのか?鳥に関してはカワセミは見られたがカモは見られず。そしてイソヒヨドリがさえずり、モズがぐぜってた。

 

さらに別日にオイカワの産卵を撮影した川でも探してみたが、こちらでもカマツカは見られず。オイカワとカワムツばかりであった。

イカ

カワムツ

もしカマツカを見つけたら東京都で見たカマツカと比較したかったんだが、現実はそんなに甘くない。

いおワールドかごしま水族館 その3

その1はコチラ→いおワールドかごしま水族館 その1 - コミュ障カラスの生き物ブログ

その2はコチラ→いおワールドかごしま水族館 その2 - コミュ障カラスの生き物ブログ

こんなに長い記事を書くのは久しぶりな気がしたが、恐竜博2023も3回シリーズだった。

 

サカサクラゲ

逆さまだからサカサクラゲ。体内に褐虫藻を共生させており、褐虫藻光合成で作り出したエネルギーで生きている。しかしそれだけではなく、ブラインシュリンプなどを捕らえて食べることもある。クラゲ類は多くが浮遊生活を送るが、サカサクラゲは水底で暮らしている。

 

オオウナギ

クラゲ水槽の隣に突如として現れたオオウナギ水槽。その中には1.5mはありそうなオオウナギが2匹。やっぱり淡水水槽は良き。そういえば石垣島に行ったとき同行者がオオウナギを見つけたが、残念ながら筆者は見れなかったということがあったなぁ。いつか野生で見てみたい。

ウナギ類の中でも最も広域に分布する種だとは知らなかった。「鹿児島県下の各地の小川でも、1m以上のオオウナギが巣穴にひそみ、時折つかまります」だと⁉ 羨ましい....(オオウナギは多くの地域で県や市町村レベルの天然記念物に指定されているので気軽に捕獲できるものではないことに注意)

最初は動き回っていたが、しばらくすると2匹とも動かなくなった。それでも10分以上見てしまった。ウツボといいウナギといい、細長い魚は何でこんなに良いのだろうか?細長い魚からしか摂取できない(以下略)

 

ヤマトヌマエビミナミヌマエビ

メダカなどが入った淡水の水草水槽。真ん中の数匹がヤマトヌマエビ。周りのちっちゃいのがミナミヌマエビ。筆者の近所にはヤマトもミナミもおらず、どちらも初めて見たが、これほど体格差があるとは思わなかった。どちらもアクアリウムではコケとり役として利用されるので飼育個体は簡単に見られるらしいけど。

5~6cmはありそうな巨大なヤマトヌマエビ。一瞬スジエビかと思った。よく見ると抱卵中。ヤマトの幼生は海や汽水域で成長するので、成長には塩分が不可欠。そのため水槽内での繁殖はほぼ不可能である。一方でミナミヌマエビは幼生期がなく、稚エビの段階で孵化する。そして一生を淡水域で過ごすためこうした水槽でも繁殖が可能である。

 

かごしま水族館の名物「沈黙の海」。生物どころか岩なども一切ない。

 

デンキウナギ

エスカレーターを降りると急にアマゾン。デンキウナギは最も有名な発電魚と言っても過言ではない。最高で800Vもの電圧を発生させることができるが、普段は微弱な電気を発生させ濁った水の中で周囲の様子を探ることに使っている。強力な電気は捕食用or護身用である。ちなみに写真の個体は棒が刺さっているように見えるが、当たっているだけで刺さってはいない。

 

ピラルク

属名であるアラパイマで呼ばれることもあるが、現地名であるピラルクー(orピラルク)で呼ばれることが多い。1mほどの小さい個体が2匹。1.5m以上ありそうな大型個体が2匹の計4匹。小さいのはおそらく若い個体。成魚と思われる大型個体は、1匹はほとんど奥に隠れていたが、もう1匹は手前でじっとしているか、ゆっくり泳ぎ回っていた。

大型個体と小型個体の体格差。胴体の太さがまるで違う。世界最大級の淡水魚であるピラルクーだが、細長い体型のため体重はメコンオオナマズなどに比べると軽いとされる。それでも成魚は200kgほどになるらしい。成魚は体の後半が赤くなるのがよくわかる。

若い個体(左)と成魚(右)の顔。成魚のほうが厚みがあるし、表面がゴツゴツしている。ピラルクーは人を襲うことはないものの、驚いたときにジャンプすることがあり、ボートを転覆させたり、ぶつかった人間が命を落とすこともあるというが、成魚の頭の厚みを見れば納得である。

しばらく見ていると1匹が水面に顔を出した。これがピラルクーの息継ぎ!初めて見た! ピラルクーは鰾(うきぶくろ)に取り込んだ空気から酸素を取り込むことができるが、それゆえエラ呼吸だけでは不充分で定期的に空気を取り込まなければいけない。つまり魚なのに空気呼吸しないと溺れてしまう。アマゾンなど熱帯の淡水域は酸素不足になりやすいのでそれでも構わなかったのだろうが、ちょっと不便なようにも思える。ちなみに空気呼吸するのはデンキウナギも同じ。

なんとか息継ぎの瞬間を写真に収めたかったが、一瞬で終わってしまうためなかなか難しい。しかも息継ぎの頻度は10~20分に一度なので、4匹いてもシャッターチャンスはなかなか来ない。そして何回か挑戦してから気づいたが、撮れたとしても1枚の写真では息継ぎ感が出ない。そうなると連写か動画で撮るしかない。

息継ぎを連続写真で。初めてのGIF。顔を出す前に水しぶきが上がっているがなぜなのか。場所も顔より後ろだし.... それはともかく、ずっと狙っていると息継ぎをしそうな雰囲気がわかるようになった。水面近くをそわそわした様子で泳ぎ回るのだ。しかし息継ぎのタイミングは最後までわからなかった。顔を上げたまま水面スレスレを泳いだりするのでややこしい。

もう少し粘るつもりだったが、ここでスマホの充電切れ。この後も展示あるのに....

この後は筆者が好きな淡水生物の展示が。充電器を持ってこなかったことが悔やまれる。突然変異の白ウナギが展示されていたし、アカハライモリの水槽には全身赤色の個体がいたうえ、通常個体もうっすら婚姻色になっているものがいた。タナゴ類の水槽には在来のアブラボテと国内外来種のヤリタナゴが展示されており、どちらも美しい婚姻色が出ていた。ヤリタナゴが若干交雑っぽい色合いにも見えたが、やはりタナゴ類は良い。タナゴ類からしか(ry  その隣の水槽にはコガタノゲンゴロウとクロゲンゴロウが。やはりゲンゴロウは良い。ゲンゴロウからしか(ry

その奥にはイルカ水槽とアザラシ水槽。海生哺乳類を見るのは久しぶり。イルカ水槽は下からも見られるようになっており、優雅に泳ぐイルカたちを見ることができる。改めて見ると、やはりイルカと魚は違う。イルカの無駄なものを極限まで削ぎ落としたかのようなデザインは惚れ惚れするし、肺呼吸ゆえか、じっとしている時間は短く泳ぎ続ける様子は見ていて飽きない。しばらくゆったり泳ぎ回っていたが、突如動きが激しくなった。ショーでも始まったかと思い上に上がると、ショーではなくトレーニングが行われていた。イルカ水路でトレーニングが見られるのは知っていたが、水槽でのトレーニングも公開されてるのね。久々にイルカを見たがやっぱり良い。イルカからしか(ry

 

もう少し見ていたかったが、飛行機の時間もあるのでここで終了。それでも4時間近くも過ごしてしまった。1階から4階まで、館内を余すこと無く詰め込んだ展示は見応え充分であった。機会があればもう一度行ってみたい。今度はカメラを持って。

 

おまけ

水族館に入る前に見つけたものです。

ドバトに混じって足環をしている個体が。レース鳩?

 

ハトに餌やりをしている人がいたが、それを見つけてトビがやって来た。スマホでこれほど鮮明に撮れるとは。

 

イルカ水路を覗き込むとなにやら泳いでいた。どうせ魚だろうと思ったが....

なんとイカ。全長10cmほどの小さなイカが群れていた。この水路にはアオリイカが入ることがあるらしいが、もしかしてアオリイカの幼体?野生のイカを見るのは初めてだった。

いおワールドかごしま水族館 その2

その1はコチラ→いおワールドかごしま水族館 その1 - コミュ障カラスの生き物ブログ

 

ツボサンゴツノヤドカリ

2017年に記載されたばかりの種。青い照明でわかりづらいが、赤と白の2色の綺麗なヤドカリ。貝殻ではなくスツボサンゴ(イシサンゴ目キサンゴ科)というサンゴの一種を背負っている。このサンゴは本来はホシムシという環形動物の一種(かつては星口動物門という独自のグループとされていた)と共生関係にあるが、何故かヤドカリがホシムシの代わりを担っているという。どちらもサンゴを背負ったまま動き続けるのでサンゴが砂に埋もれることがなくなる。サンゴからすれば得られるメリットは同じであるため、共生相手はどっちでもいいのかもしれない。面白い進化をしたものである。

 

メガネウオ

和名の由来は目の周りの模様や凹凸。英名は上(空)を見上げているためStargazer。顔つきでわかるだろうが肉食で、口内の疑似餌を出して小魚をおびき寄せ捕食する。

 

マダイ

全長1mはあろうかという大きなマダイ。食用として流通するのはもう少し小さめなので、こんなに大きくなるとは知らなかった。

 

アカメ

日本最大級の淡水魚として紹介されることもあるので筆者は勝手に淡水魚だと思っていてタイと一緒に泳いでて驚いたが、汽水域~沿岸域に生息する魚らしい。日本固有種。

 

ウツボ

ウツボという名前のウツボ。結構太っているように見えるが気のせいだろうか?あるいは水槽のレンズ効果か?それはともかくやはりウツボは良い。ウツボからしか摂取できない(以下略)

 

サツマハオリムシ

1993年にJAMSTECの調査で発見された新種のハオリムシ(チューブワーム)の一種。水深82~100mに群生地があり、ハオリムシの群生地としては最も浅い。クジラの骨を利用して飼育が可能なんだとか。

 

タギリカクレエビ

サツマハオリムシの棲管の中から発見されたエビ。しかし単独での飼育も可能であり、ハオリムシとの関係はまだ謎に包まれている。この水槽にもハオリムシはおらずエビのみで展示されていた。

 

ボラ

アマモ群落を模した水槽ではボラがアマモの表面に生えた藻類を食べていた。

 

キュウセン(オス)

キュウセン(メス)

キュウセンとは「九線」であり、メスの縦縞に由来する。大きく成長したメスの一部がオスへと性転換する魚であるが、たまにオスとして生まれるものもいるとか。

 

シロギス

手前はキュウセン。筆者は小学生の頃、父親とシロギス釣りに行ったことがある。数匹釣れたが、船酔いでダウンした筆者は完全に戦力外であった。

 

ホウボウ

胸ビレが変化した脚で歩く魚であるが、この個体は普通に泳いでいた。大きな胸ビレには美しい模様があるが、残念ながら見ることは出来なかった。

 

カレイの一種

パネルに載ってなかった種。見事な擬態である。眼を見つけられなかったらきっと気づかなかっただろう。

 

アミメウツボ

特別展示室は海洋ゴミに関する展示。ウツボような物陰に潜む魚にとっては、隠れ場所になる海洋ゴミは利点となることもある。しかし、それは普通なら生息できない場所でも生息できるようになることを意味し、生態系に大きな影響を与える。

 

ハワイウツボ

アミメウツボと同じ水槽。左に見切れてるのはニセゴイシウツボとアミメウツボ。やはりウツボは良い。ウツボからしか(以下略)

 

ニッポンウミシダ

何か見覚えがあるなぁ.... と思ったが思い出せず。調べたところウミシダと判明。聞いたことがあるような無いような....

 

スナダコ

この隣には茶色のビンもあったのだが、この個体はご覧の通り透明なビンに入っている。体にフィットすればそれで良いのかもしれない。

 

クラゲとビニール袋。こう見るとよく似てる。そりゃ間違えるわ。

 

深海のコーナーではリュウグウノツカイの標本がお出迎え。すっかり有名になったなぁ....

 

カイロウドウケツ

深海に生息するカイメンの仲間。二酸化ケイ素の骨片が網目状の骨格を形成し、たいへん美しい。結納の際の縁起物として需要があるが、これは後述のドウケツエビが関与しているらしい。

ドウケツエビ

カイロウドウケツの中で暮らすエビ。大抵は雌雄2匹が同居しており、幼生の頃に網目の隙間から侵入し、その後オスとメスに分化するとされる。カイロウドウケツは「偕老同穴」と書くが、偕老同穴とは共に暮らして老い、死んだ後は同じ墓穴に葬られること、転じて夫婦の信頼関係が非常にかたいことを意味し、元々はドウケツエビに対して用いられ、やがてカイメンの名前となったとされている(wikipediaより)。

 

想像以上に長くなりました。その3へ続く→いおワールドかごしま水族館 その3 - コミュ障カラスの生き物ブログ

いおワールドかごしま水族館 その1

鹿児島に行く機会があったのでいおワールドかごしま水族館に行ってきました。

いおワールドかごしま水族館は1997年に開館した水族館で、正式名称はかごしま水族館。鹿児島県周辺の水生生物をメインに展示している。

その場の思いつきで行くのを決めたのでカメラを持っておらず、今回は全てスマホで撮影した。

 

ジンベエザメ

いきなりジンベエザメのいる黒潮大水槽。鹿児島県では毎年数頭のジンベエザメが網にかかる。かごしま水族館ではジンベエザメを5.5mになるまで飼育し、その後タグをつけて海へ放流するという方式をとっている。飼育されるジンベエザメは代々「ユウユウ」という名前を付けられ、今いるのは10代目ユウユウ(2019年9月6日~)。全長4.7mあるらしい(そんなに大きく見えなかったけど)。

 

マダラトビエイ

水槽の中を活発に泳ぎ回っている。尻尾がものすごく長い。

 

モノノケトンガリサカタザメ

20年以上トンガリサカタザメとして飼育・展示されていたが、実は新種(未記載種)であったことが発覚し、2020年に記載された。詳しい分布や生態は不明。写真は大きい個体の後ろを小さい個体が追いかけているところ。この行動の意味は不明。

 

セジロクマノミ(上、中央)とハナクマノミ(下)

黒潮大水槽の隣にはサンゴ礁の水槽が。映画のせいか「あ、ニモだ!」という声がよく聞かれた。ニモは同属ではあるが別種(Amphiprion percula)なんだけど。「これはカクレクマノミじゃないからニモじゃない」という声も聞かれたが、ニモはカクレクマノミAmphiprion ocellaris)でもないんだよなあ.... でも指摘するのは野暮というもの。

 

シャコガイの一種

サンゴか岩かと思ったが何か違和感を覚えた。よく見るとシャコガイ。外套膜に褐虫藻を共生させており、褐虫藻光合成で作り出した栄養素を糧に生きている。何故かパネルには載ってなかった。

 

ニセゴイシウツボ

ハナビラウツボ

ハナヒゲウツボ

クマノミたちの水槽の隣にはウツボの水槽が。パネルを見る限り5種のウツボがいるようだが、パッと目につくのは3種。やはりウツボは良い。ウツボからしか摂取できない栄養があると思う(ウツボは食用にもされるのでこの言い方は誤解を招きそう)。

 

ニセゴイシウツボのあくび。咽頭顎は見えない。唇のせいで歯は目立たないが、とても鋭く、顎の力も強いので噛まれると危険。とはいえウツボは自分から人に襲い掛かるようなことはない。意外とおとなしい魚なのである。

 

ゼブラウツボ

岩陰を覗くと特徴的な縞模様。狭い隙間にピッタリとはまっている。

 

クラカケウツボ

ヤドカリを撮っているとクラカケウツボが顔を出した。これでこの水槽のウツボはコンプリート。10分粘った甲斐があった。

 

カワテブクロ

ウツボの横にどでんと転がるカワテブクロ。見た目も名前も面白いヒトデである。

 

(右から)ニシキエビ、ケブカイセエビ、アマミイセエビ、コブセミエビ

エビ水槽。4種とも見れたのは良かったが、少々酸素不足のようで、脚をリズミカルに動かしていた。左下をよく見ると....

魚の切り身。エビたちの食べ残しのようだ。

 

サツマカサゴ?(上)とオニダルマオコゼ(下)

オオモンカエルアンコウ(上)とオニダルマオコゼ(中央)とイヌカサゴ?(下)

岩に擬態する魚たちを展示した水槽。全部で7匹いる。筆者はなんとか全部見つけられたが結構難しかった。

 

エラブウミヘビ

なんとウミヘビ水槽が。エラブウミヘビは横帯が腹面に向かうにつれ細くなるのが特徴。ウミヘビには胎生の種も少なくないが、エラブウミヘビは卵生で、陸上で産卵する。猛毒を持つが食用にされる。

水面に顔を出して呼吸。ウミヘビは爬虫類なので肺呼吸。しかし魚類にもウミヘビと呼ばれるものがおり、そちらは当然エラ呼吸。

 

ネムリブカ

続いては大型のサンゴ礁水槽。目の前に横たわっていたのはネムリブカ。夜行性であり昼間は海底で休んでいるのが名前の由来。ネムリブカは小型でおとなしいサメであるが、それでもやはりサメは良い。サメからしか摂取できない栄養があると思う。

 

タマカイ

全長2mにも達し、ハタの仲間としては世界最大級。サンゴ礁に生息する硬骨魚類としても最大級である。最近タマクエやクエタマなど、食用に生み出された交雑種が大量に逸出していたことが発覚し、かなり危機的状況にある可能性が出てきた。

背ビレの付け根には傷が。すると....

ツユベラ?がやって来て傷口をつつき始めた。タマカイはたまらず退散。この傷がついた原因はわからないが、大型魚が喰われる側になるところを見られるとは思わなかった。

 

コバンザメ

大型動物に貼り付くことで有名な魚。水槽ではこのようにガラス面や壁面にくっついていることもある。

名前の由来となった頭の吸盤。本当に小判みたい。このヒダを立てることでヒダの間の圧力を下げて吸い付くことができる。そして意外と歯が鋭い。

 

ゴマモンガラ

鋭い歯と強い顎でサンゴや貝も嚙み砕いて食べる。繁殖期には巣を守るため、近づいてきたものに襲い掛かることがある.... と「ダーウィンが来た!」でやっていた。知ってる魚を見つけるとテンション上がる。

 

戻ってきたタマカイと動き出したネムリブカでツーショット。サンゴ礁の王者の共演である。

長くなりそうなのでここらで一旦切ります。その2へ続く→いおワールドかごしま水族館 その2 - コミュ障カラスの生き物ブログ

近所の公園 in 8月

8月になったので近所の公園へ。まずは池の様子を見に。

ウチワヤンマ

ヤンマとつくがサナエの仲間。サナエトンボのスタイリッシュさは何度見ても良き。

コシアキトンボとのツーショット。去年や一昨年みたいな写真を撮りたかったが残念ながら撮れず。枝の位置が変わってたし、コシアキトンボが枝に止まらなかった。やっぱり自然は甘くない。

↑去年のツイート

 

ギンヤンマ

水に浮いた枯れ枝に産卵中。水草に産卵するイメージがあったけど枯れ枝でも良いのね。

 

カルガモ

相変わらず10羽前後。今年もヒナは見られなかったけど幼鳥っぽいのは何羽か見られた。

 

アカミミガメ

クサガメ

カメはいつものメンツ。でも日光浴している個体は少なかった。この暑さだもんな。ちなみにハナガメもミシシッピチズガメもあれ以来確認していない。どうなったのだろうか?

ハナガメとミシシッピチズガメについてはコチラ→GWの思い出&近所の公園 - コミュ障カラスの生き物ブログ

 

池は一通り見たので場所を移動する。

ヤマトシジミ

年5~6回発生するというが凄まじい繁殖力である。

 

コバネイナゴ

ショウリョウバッタ

ショウリョウバッタモドキ

お馴染みのバッタたち。

 

オオカマキリ

終齢と思われる大型の幼虫。成虫が見られるまでもうすぐ。

 

ナガコガネグモ

今年もいつもの場所に網を張っていた。1年で世代交代するので違う個体が同じ場所に網を張っていることになる。よほど良い場所なんだろう。

卵嚢。セイヨウナシのような形をしている。実は上下二層の構造になっており、まず上の部分をつくり、その下に卵を付けるようにして産み、最後にぶら下がった卵を覆うように糸をかけることでこんな形になるんだとか。

 

シオカラトンボ

小さな水路の周りにもたくさんいる。場所によっては水を撒いただけでやってくる。

 

ウチワヤンマ

ここにもウチワヤンマ。なんか違和感.... と思ったらメスだった。池にはオスばかりだったがここにはメスしかいなかった。オスの干渉を避けているのだろうか?

 

ニホンアマガエル

幼体。暑いのに日向にいたが大丈夫か?

 

アミメアリ

ミミズの死骸に群がるアミメアリ。いっつも行列つくってるのに神出鬼没なイメージがあるが、その理由は定住する巣を持たないからだとか。グンタイアリみたいだな。

 

ニイニイゼミ

アブラゼミ

ミンミンゼミ

セミはニイニイ、アブラ、ミンミン、クマ、ツクツクの6種を確認。ヒグラシは時間帯のせいか鳴いてなかった。

 

タマムシ

エノキの周りを数匹が飛び回っていた。時折葉に止まるがまたすぐ飛び立ってしまう。

 

ハシブトガラス

手前は幼鳥。威嚇っぽい声が聞こえたので慎重に探してみると、予想通り親子連れ。

 

ここで時刻はお昼頃。暑いので最後に池を見てから帰ることにした。

ウチワヤンマ

尻尾を上げて暑さ対策。縄張りを持つ彼らは迂闊に持ち場を離れられないのだろう。この暑さでは縄張りを守るのも命懸けだ。

 

カワセミ

換羽中だろうか?腹部のオレンジがまばらになっている。

 

ソウギョ

この写真ではわかりづらいけど、コイより背ビレが小さいので見分けがつく。以前見たとき(→久々に近所の公園 - コミュ障カラスの生き物ブログ)と同じ場所にいた。

 

ドバト

池の周りを歩いていると、こちらに向かってたくさんのドバトが飛んできた。餌をくれると思ったんだろうが、残念ながら筆者は餌を持ってない。

 

カルガモ

ハトが飛んでくるのを見て木陰で休んでいたカルガモもやってきた。しかし残念ながら(以下略)。こいつら結構人に依存してんな。餌をくれないとわかったら葉をかじっていた。

まあ予想通りのメンツである。目新しいものはない。時間をかければ何か見つかるかもしれないが、この暑さではちょっと無理。秋冬に期待。

 

おまけ

路上に落ちてた風切羽。猛禽か?あるいはトケンか?と思ったが、小さいし模様も違うような気がする。

持ち帰って洗って乾かして形を整えるとこんな感じに。ネットの画像と比べてみるとアオゲラが近かった。ここでは夏でも見られるから可能性は充分ある。

清流じゃなくても

7月半ば。オイカワの産卵を見に行ったことで、あの魚も見たくなったので行ってみることにした。

イカワを撮影した川から数km離れた別の川。水系は同じだからオイカワの撮影をした川にもいるんだろうけど、過去に実際に見て、いることがわかっている場所のほうが良いだろう。30℃を超える暑さの中、あまり長時間外にいるようなことは避けたい。

 

イカ

到着してすぐに魚を発見! ....でもオイカワでした。婚姻色が強く出た大きなオス。15cmを超えてそう。嬉しいけれど、今回の狙いは君じゃないんだ....

今回の狙いは魚だけど、それ以外にも興味を引かれる。

カワセミ

7~8cmはありそうな大物をゲット。筆者の感覚としては、カワセミは水辺で最も一般的な鳥類の1つである。

 

オナガサナエ

なんだこのちっちゃいサナエ!?と思ったらオナガサナエ(メス)。オナガサナエは見たことあったけど、距離が遠かったので大きさがよくわからなかったんだよな。こんな小さかったっけ?

どれくらい小さいかというとこれくらい。筆者の左手はフェンスに触れています。これでもサナエトンボとしては中型だとか。

日本最大のサナエトンボであるコオニヤンマはこれくらい(別の場所で撮影したもの)。角度が違うから比較しづらいかもしれないけど、大きさが全然違うことはわかると思う。

 

オニグモ

幅50cmはあろうかという大きな円網を発見。その網の端、フェンスに固定された部分にオニグモが鎮座していた。脚は糸に触れており、飛び出す準備は万端なようだ。

 

アメリカザリガニ

アカミミガメ

今年の6月から特定外来生物に指定されたコンビ。本来は日本にいないのに、今や川や池にはいないほうがおかしいレベル。この川にもたくさんいる。

 

スッポン

やはりスッポンは良い。それにしても今年はスッポンをよく見かける。今まで見なかったのはなんだったのか、4月から毎月、探さなくても見ている。

 

モクズガニ

なんとモクズガニが現れた。筆者は奄美大島の山の中でしか見たことがなかったのでかなり驚いたが、県内ではそんなに珍しい生き物ではないという。ただし夜行性のため目につくことは少ないとか。ハサミの毛が白いので脱皮して間もないようだ。

 

本日何度目かわからない魚の群れ。今のところすべてオイカワ。しかし今回の群れはよく見ると(オイカワもいるが)違う魚の群れである。オイカワよりも鱗がずっと細かく、はっきりとした背中線がある。これはまさか?

アユ

見つけた!これが今回の狙いであるアユ。結構あっさり見つかった。いることはわかってたとはいえ、実際に見るのはおよそ5年ぶり。数が減ってたらどうしようと思ったが杞憂に終わった。

アユは日本を含めた東アジア一帯に生息する魚で、河川で産卵し、孵化するとすぐに海へ降り、その後に産卵とは関係なく再び河川に戻る「淡水性両側回遊魚」である(琵琶湖産のアユは海に降りず湖で成長する)。大きなものでは30cmほどになるが、このとき見られたのは10~15cm程度であった。

綺麗な水でないと住めないとされ「清流の女王」とも呼ばれるが、そこまで汚染に弱いというわけでもないらしい。食材として人気であり、現在でも積極的に放流されている。そのせいで色々と問題も起きているわけだが....

ちなみに神奈川県でも養殖アユの放流は行われており(この水系で行われているのかは不明。放流を目指した議員はいたが)、このアユが天然物なのかはわからない。天然物なら嬉しいのだけれど....

今回筆者が一番撮りたかったのがこの採餌シーン。口元を擦り付けるようにして石についた藻類をこそげ取って食べる。アユの特徴であるベロッとめくれる分厚い唇は、たぶんこの採餌方法において役立っているのだろう。具体的にどう役立っているのかは知らない。

こっちではコンクリートについた藻類を食べている。アユが藻類を食べると岩に「食み跡」と呼ばれる食痕が残るそうだが、筆者はいまだに見たことがなく、今回も見られなかった。

藻類をこそげ取る瞬間をアップで撮影。凄い顔になっている。それにしても豪快な採餌方法である。唇が切れるんじゃないかとか、眼をぶつけるんじゃないかとか、見てるこっちがハラハラする。

こちらはオイカワ。オイカワも藻類を食べるが、アユとは異なりついばむようにして食べる。これがジェネラリストとスペシャリストの違い。食べる藻類が違うという可能性もあるけど。

なんとなくだが、アユはオイカワよりも深い場所で採餌しているように見える。アユが好むのは藍藻や珪藻だそうだが、深いところに多いのか?なお、写真に写っている緑色の藻類の分布は、パッと見た感じ水深とは関係がなさそうだった。この藻類はアユの好みではないのだろうか?

同じ場所をグルグル回りながら単独で採餌していた15cmほどのアユ。縄張り持ちか?と思ったが、しばらくすると群れに合流したのでたまたま1匹になっていただけのようだ。

藻類を食べるオイカワの後ろを先ほどのアユが通過する。一触即発か?と思いきやアユは素通りして何も起こらなかった。

しかしいつも素通りするわけではなく、オイカワを追い払うこともあった。何が引き金になっているのだろうか?

そしてやっぱり魚の撮影はムズい。AFでは水面にピントが合うことが多いが、MFではピントを合わせている間に魚が移動してしまう。だからといってピントを合わせて待つ作戦をしても、相手はこちらの思い通りには動いてくれない。そしてピントを合わせても水面の揺らぎでブレる。

今回は動画でも苦戦した。魚が浅いところにいればピントが水面に合っていてもそんなに違和感はないが、アユは深いところにいることが多く、水面にピントが合うとアユはぼやけてしまう。AFは水面にピントが合いやすいのでMFにするが、その場合動き回るアユを追いかけるのは諦めなければならない。画角を広くすれば問題ないが、あまり広角にするとアユがわかりづらくなる。

比較用として藻類を食べるオイカワの動画(別の場所で撮影)。先述の通り食べ方が全く違うのがわかる。

 

今でこそ高級魚のアユだが、昔は何処にでもいるような魚だった....らしい。筆者が生まれるよりずっと前のことらしいが、羨ましい限りである。驚くことにウナギ(ニホンウナギ)も昔は簡単に採れたらしい。アユは復活したところも多いが、ウナギの未来はまだ明るいとは言えない。そして復活しつつあるアユも、いまだに放流が行われている。

魚に限らず、生き物が減った場合、他所から持ち込んだ個体や飼育個体を放すという方法がとられることは珍しくないが、それはほとんど最終手段である。「放流しても魚は増えない」という論文が出たのは今年の2月。これからは放流ではなく、今いるものたちをどう増やすかという方向に変わっていってほしいものである。

アユとオイカワの群れ。オイカワやカワムツは琵琶湖産のアユやゲンゴロウブナに紛れて各地で放流され定着した。